卒業してゆく皆さんへ 

こんにちは。
例年になく早い桜の開花宣言。
温かい日が続いております。

14日は、大学の卒業式でした。
学校の、一番のおめでたい日です。

今年も、ゼミで、卒業論文集を作りました。
上製本の立派なものです。

今年のゼミは、私にとって、とても感慨深く、思いもたくさんあります。
書ききれない思いを、記す代わりに、
文集のあとがきを、今日の日の備忘録として、ここに。




 皆さん、卒業論文、お疲れさまでした。
 本当によく頑張りましたね。
 今日、皆さんのこの立派な卒業論文集の終わりに、こうして文章を書くことができることを、心から嬉しく思っています。

 今年のゼミは、14人という大所帯のゼミでした。初めは、ずいぶん多く思われましたが、14人がそれぞれに個性豊かで、その分豊穣なゼミとなりました。
 人数が多いため、毎週の発表時間はとても貴重でした。それがかえって、それぞれの研究について皆で真剣に議論する、よいゼミの風景を作っていたと思います。
 皆さんのお名前と論題を記した目次を見ていると、この一年間、皆さんと過ごしたいろいろな場面が目に浮かんでまいります。
 唐津の合宿は特に思い出深いものでした。大きな窓からの白砂青松と絵のような海の眺めを背に、北川さんが淡々と、タイムテーブルをホワイトボードに書いて。ゼミを続けようとする皆さんの真剣な雰囲気。結局夜中の12時前までがんばりましたね。
 翌朝、裸足で歩いた砂浜の感触を今も覚えています。

 人はたぶん、誰でも、何かの「問い」を抱えているのだと思います。でもその「問い」は、自分自身にも見えてはいません。未だ見ぬ「問い」を見つけようとする時には、ちょうど暗闇を手探りする時のように、手が触れたものから、それが何かを確かめ始めます。私は、それが研究の始まりなのだと思っています。
 テーマ探し、ずいぶん時間がかかってしまいましたね。でもそれでよかったのですよ。研究は、答えではなく、「問い」を探すことなのですから。
 ここにある卒業論文のテーマは、あなたがようやく見つけ出した自分の「問い」への手がかりです。そして、あなたが書いた卒業論文は、14人みんなで書いた卒業論文でもあります。
 こうして卒業論文に取り組んだことが、皆さんのこれから先の長い時間の中で、ささやかにでも意味があるものになればと、夢見ています。

 大学は、なかなか一言では説明できない不思議なところだと、このごろつくづくそう思います。私は、この一年の間に何度か、大学の、豊かで深い水底を垣間見たような気がいたしました。途中、病気治療の間を皆さんが温かく支えて下さったこと、本当に感謝しています。この場をお借りして御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 人は、いつ、どうやって大人になってゆくのでしょうか。
昨春、私のゼミに来て下さった14人の皆さんを、私は今、とても眩しく感じています。
 ご卒業おめでとうございます。
 心よりお祝い申し上げます。 

 2013年 春
                              ここ
                                       」

[2013/03/16 12:51] 教育 | トラックバック(-) | CM(0)

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