花衣 

こんにちは。
雨になりました。
優しい雨です。

家に戻っています。
朝、夫と娘にお弁当を持たせて送り出したら、ようやくホッと一息。
今までと変わらない、同じ朝です。

今年の桜、例年より少し遅かったですね。
リビングの前の桜が、残った花を少しずつ散らしています。
大きな木の全体は、しべの赤い色に包まれています。

大きな大きな桜の樹の前にある、白い小さな家の中で、ぼんやりと桜の木々やその向こうの畑を見て過ごしているのが、私です。
ふふふ、私も相変わらずでございます。

のんびり週末。
のはずだったのですけれど、実は、火曜日の授業の準備が間に合わなくて、重い本を何冊もリュックに入れて戻ってきました。
泥縄式も相変わらずです。
でも結局、昨日まで、その本は開かれませんでした。
「月曜日に準備しましょ」が、「午後頑張ろう」になって、「夜になったら」になってゆくのもたぶんいつもどおり。
桜を見ていると、何だかいろんなことがどうでもいいような気がしてくるものです。

困ったことに、新しく借りた部屋の前も桜の木が並んでいます。
小さな川沿いの、桜並木に面しているのです。
一人で何でもしなくてはいけないのに、やっぱりぼんやりしてしまうのは、やっぱり桜のせいだと思います。

福岡の花は、こちらより少し早く散り始めました。
私が出てきた時、桜並木に残った花は僅かでした。

そして、一週間ぶりに戻ってきた我が家。
おやおや、家の前の桜には、花がまだまだ残っています。
見下ろすと、川の水面は花びらでいっぱい。

一瞬、わけが分からなくなりました。
流れたはずの時間を、ぐいと引き戻されたような、妙な感じです。

見渡せば、あちらこちらに、菜の花や諸葛菜、竹やぶのそばに散り敷いた椿の赤い花。
昔話の世界まで時間を遡ってしまったような、遠いところに来てしまったような。

今日までの悪戦苦闘の一週間が、無かったことのような気がしてきます。
そんなあ。
徒労感が、どっと押し寄せます。

なんだ、桜の樹のせいか…。

さすがの私も、ちょっと疲れてるのかもしれません。

それにしても、勤め先でも桜の樹の前の部屋に住むことになったこと。
例年より花が遅く咲いてくれて、どちらの花にも会えたこと。
偶然だけど、ちょっと不思議でしょう?

見れば見るほど不思議です。
この世とあの世の境目に咲くような、桜の花たち。

あ。
出会う人出会う人が、みんな特別親切で、九州の人って、誰でもみんな、こんなに親切なのかなあって思ってたけど、それってもしかして、桜のおかげ?
私の周りの桜たちが、私に力をくれているのかな。

短い花の間だけ、花を見た分だけの不思議な力。

新しい場所で、宙に浮いたような、慣れない毎日を送っている私。
要領も悪くて、何もかも今ひとつだけれど、今のところなんとかなっています。

もしかしたら、今の私、目に見えぬ、桜色の空気を纏っているのかもしれません。



[2011/04/18 13:15] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

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