旅日記 臼杵 花の宿  

こんばんは。
虫の声が聞こえています。
昼の蝉の声はどこに行ったのでしょうね。

では、臼杵の旅の続きです。

滅多にない、両親との三人旅。
私は、良い思い出になればいいなあという気持ちでいっぱいでした。

何より心配したのが暑さです。
ところが、臼杵滞在の2日間、ちょうど九州の西側を台風が通過。
おかげで大分方面には涼しい風がいつも吹いて、その上雨にもあいませんでした。

そして何より、一番よかったのは、泊ったお宿でした。
おかげさまで、思った以上の楽しい旅行になったと思います。

そのお宿は、着いてみると、予想通りの、ちょっと古くて小さいお宿でした。

門と玄関の間に、さしかけるように咲く合歓の花。
玄関に大きく活けられた椿の枝には、私たちがカタアシと呼ぶ堅い実が下がっています。

急な階段を上がって通されたお部屋は、意外にも広々として、いかにも気持のよいものでした。
そして、特に驚いたのは、お料理です。

どれもみんな、いただいたことのあるお料理ですのに、どれもみんなハッとするほどの美味しさ。

食堂には、青いいがをつけた栗の一枝。
古いミシンの上に置かれたパソコンから、今風の音楽がちょうどよい感じで流れて来ていました。

何もかも、さりげなく行き届いていて、
おかげさまで私たち3人は、とてもくつろいで過ごすことが出来たのでした。

翌朝、出がけになって、少しお話をいたしました。

お花は、奥さまが、ご自分で山に採りにいらっしゃるのだそう。
そして、食器はすべて、お嬢さまのお作なのだとか。
とても素晴らしいものでしたから、うかがってみたのです。
それから、なんとお料理は、時折応対して下さっていた息子さん。
あの穏やかそうな風貌の、どこにこれほどのお料理を作られる厳しさを秘めておられるのでしょう。

もう一度来たいと言う母に、
それなら今度は是非「宵宮」の時にいらしてください。

11月の最初の土曜日は、「宵宮」と言って、臼杵の街中が竹筒の明かりに包まれるお祭りなのだそうです。

ちょうどその頃、この家全体が、この黄色い花で覆われるんです。
亡くなった義母が、この花を見ると元気が出るって言っておりました。

飾られた写真を見ると、なるほどスマイリーというその花の名前のとおり、蔓に咲く黄色いくて小さな花の中に、小さな笑顔の形がありました。

真面目そうで、時々ちょっと面白いことをおっしゃるおかみさん。
石仏の里まで送って下さった、気のいいご主人。
優しそうな息子さん。

ご家族で営んでおられるこの宿の、静かな温かさに包まれて、私たちは、何だか感動に似た心地さえ覚えながら出発したのでした。

そしていよいよ石仏の里です。
しみじみとお参りをした、と申し上げたいところですが、そこは私たち親子。
やっぱりというべき、てんで勝手に感想を言ったり、先にどんどん歩いて行ったり。

今度も3人でお願い事を書きました。

さっさと先に書いて箱に入れる父。
字が分からないから教えてくれという母。
のぞき見ると、それぞれ、自分のことをお願いに書いておりました。
人間の出来た私は、お願いではなくて、お礼だけを書いて入れようとしましたが、ついでに、両親の健康もお願いしておきました。

ちょうど蓮の花が、おわりがけの時期でした。
花後の実と、今は盛りの花と、つぼみとが、台風の風に揺れておりました。

石仏の里は、きっとある種のパワースポットだと思います。
何だか愉快になって、しみじみなんてしないみたいです。
そして元気になります。
私たちときたら、すっかり元気になって、いくらでも歩けるような気がしていました。

帰りの電車に乗る前に、城下でおみやげを買いました。

臼杵の名産は、味噌・醤油といった麹のものです。
前夜いただいたお酒も大層美味しいものでした。
そこで、お宿で聞いたとおりに、お味噌はここ、お酒はここ、という具合に一軒ずつ訪ねて小さな瓶をいくつか買いました。

そういえば、あの小さな旅館の全体には、見えない麹の醸す、古い城下町の厚みのようなものが生きていたように思います。
私たちは、昔のままの町並みより何より、あの宿のそんなところに、臼杵の町を感じたように思います。

昨日のお昼ごろに出て、今日の午後には戻っているという短い旅。
私は、妻でも母でもない、ただの娘に戻って、両親と歩きました。

そうそう、あの玄関の合歓の花は、四季咲きなのだそうです。

時間が在るようで無い、不思議な街の、不思議な旅でした。





[2010/08/18 00:06] 旅日記 | トラックバック(-) | CM(7)

ご両親との素敵な旅の様子。
わけても、お宿の様子がとてもよくわかり、私もご一緒しているような気分になりました。

先日大分の西の端を通りましたが、いつか臼杵を訪ねたいなと思いました。
[2010/08/18 07:15] たぬき [ 編集 ]

たぬさん、こんにちは。

たぬさんは、親御さんとご旅行の思い出がおありでしょうか。
私は、今まで両親とはあまり一緒に旅行をしたことがありませんでした。
楽しいものですね。

臼杵、オススメです。是非いらしてみて下さいませ。

[2010/08/18 09:51] ここ [ 編集 ]

こんにちは
御無沙汰しております

御両親との素敵なご旅行でしたね。
旅は旅館の方々のおもてなしで、さらに心地よいものになりますね。
石仏の里で元気を頂いてお帰りとの事、何よりでしたね。
私は大学を卒業した年に母を亡くしましたので、とてもうらやましく拝見いたしました。
さくらさんは、お留守番でしたか。

私は、この三日間主人と旅行してまいりましたが、二泊ともホテルでした。
ホテルはなかなか従業員との交流って得にくいものですが、二泊目のホテルではレンタル天体望遠鏡を借りたいと言う私の為に、二人の方が重い望遠鏡を暗いお庭に運んで下さり、見えるかどうか確認してからお決めくださいと、あれこれ面倒を見て下さいました。
レンタルの申し込みは、私が初めてだったそうで、従業員も扱いがわからず、マニュアルを色々調べて下さったのですが、結局うまく使えず、断念しました。
「申し訳ありません。これを機会に研究しておきます」と・・・
「いえいえ、素敵な天体観測ができるかもと言うドキドキ、わくわくが感じられましたので充分です。この暗さで見られたお星様にも感動ですから」と申し上げました。
私一人の為にこんなに時間を割いて努力して下さったことに、素敵な星雲を見られたような感動を覚えました。(笑顔)
もし観測が成功すれば、星雲も見られるような交換レンズ付きの立派な天体望遠鏡でしたよ。
[2010/08/19 12:23] Hulaさん [ 編集 ]

Hulaさん、こんばんは
良い夏休みをお過ごしになられたご様子、何よりと存じます。また楽しいご報告、楽しみにしております。
旅の思い出って、本当にいろんなところにあるものですね。
それにしても避暑地のホテルに天体望遠鏡、なんてロマンチックな組み合わせなのでしょう。
きっとご主人とお二人で、肉眼でも降るような星空を御覧になったことと思います。

それから、ホテルの方もやっぱり、どこでもとても親切だなあと思います。
Hulaさんがお泊まりだったホテルの方々、もしかすると今ごろ、天体望遠鏡を出して、ああでもないこうでもないと練習なさっておられるかもしれませんね。
[2010/08/19 20:05] ここ [ 編集 ]

ここさ~~ん、おはようございまぁ~す。
ご両親との旅、いい旅ができて良かったですね!
「臼杵」・・もう、素晴らしい所に行かれましたね!ご利益のある石仏にも・・・ですね。
私もすっかり忘れていましたが、思い起こせば、5月にご祈禱をして頂いてからですね~。良い方向に物事が動いてきました。
ありがたいことです。ここさんはお礼参りをされたのですね。
ちょっと遠くてすぐには行けませんが、石仏の方向にしっかり手をあわせお礼を言っておきますねぇ~。
楽しかった思い出が一度に蘇って来ました!ありがとう~~!
[2010/08/20 06:35] ねたの [ 編集 ]

ねたのさん、ご無沙汰してま~す。
お元気ですか?

大分旅行、楽しかったですね♪
ねたのさんのお願い、みんなみんな叶って、本当によかったです。
ね、やっぱりですよね!私も5月のご祈祷以後です。こういうこともあるのかもしれませんね。
お忙しそうですが、今度はこちらの方にも、是非お運びくださいませね。
[2010/08/20 15:44] ここ [ 編集 ]

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[2011/03/30 14:59] - [ 編集 ]

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