赤い車に乗って 

こんばんは
梅雨入り。
庭のミニトマトに、小さな青い実が2つつきました。

昨日は雨でした。
私の車、廃車にすることになりました。

私の車は、赤い軽自動車です。
夫が、余分の仕事をして、買ってくれました。
軽自動車の中では最高級車だって、いつも恩着せがましく言っていました。

自分の車を持ってから、まず、保育園の送り迎えと通勤が、とっても楽になりました。
どこにだってすぐに行けます。
もちろんお買いものも、それから郊外の素敵なレストランとか、出かけるときは必ず車になりました。
CDもついてて、車の中で、音楽を聴くようになりました。

運転もだんだん上手になって、軽自動車だし、小さな近道をすいすい。
お気に入りの音楽を聴きながら、気分はいつだって最高です。
私はたぶん、この赤い車に乗るようになってからようやく、何でも一人で出来る、どこにだって行ける、一人前の大人になったのだと思います。

車は事故以来、修理屋さんに預かっていただいています。
もう一ヶ月半になりました。

そういうわけで、この間から、車のない生活を始めています。
遠くて、車でしか行けないと思っていた非常勤先の大学も、図書館のある大学も、電車に乗れば案外楽に着くことがわかりました。
気持ちのいい季節です。
歩く生活もいいものですね。

車両保険に入っていなかったので、修理に随分お金がかかること。
その上、長らく乗ったので、修理代より車の値打ちが低いのだそうです。
車検が来月だということ。
そして、来年の4月から、車が必要でなくなること。

いろんなことを言い聞かせるけど、あの車がいなくなるということが、どうしても想像できません。

まだまだとってもきれいで、エンジンだって好調です。
あの日まで、一緒に仲良く暮らしていたのに、
あの事故の日以来、別々になって、きっと今ごろは修理屋さんの隅っこで、ホコリまみれになってると思う。

たまらない気持ちになって、急いで修理屋さんに電話して、
まだダメにしないで、最後に一目会いに行きたいからって、お願いしました。

昨日は雨で、修理屋さんの工場はちょっと遠い山の中。
助手席に乗って、あの車が我が家に来てくれたのはいつのことだったのか、思い出そうとしていました。

子どもを預けて仕事を始めた直後は、あんまりにも忙しくて、車を物色する元気もなくて、何年かしてようやく買えたのでした。
それが、いつだったか、なぜかはっきりわかりません。
10年乗っていれば、申し訳が立つような気がして、
いつ買ったのか、何年間乗ったのか、10年以上たっていたらいいなあと、途中そればかりを考えていました。

今度、締め切りまぎわに真夜中に郵便局に行く時は、どうしたらいいんでしょう。
夫にお買いものを頼むと、無駄遣いばっかりするし。

雨がだんだん激しくなってきて、修理屋さんについたときには、かなり降っていました。
私の赤い車は、想像した工場の隅っこでなくて、屋外の目立つところで雨にぬれておりました。

雨のおかげで、赤い色がきれいでした。
事故であたったところも、外からはさほどの傷には見えません。

ドアをあけると、いつもの私の車でした。
ふっと、いつも車に乗る時と同じ気持ちになりました。
どうやら車の方も私のこと、覚えててくれたみたいです。
実は、車が、私のことがすぐ分かるように、しょっちゅう着ている服に、普段のデッキシューズを履いて行っていましたしね。

もう、車内の荷物はまとめてもらっていたけど、時間をかけて、ゆっくり細かく色々車内を見て、残った小さなものを集めながら、シートを撫でたりいたしました。
ちょっとだけハンドルを握ってみました。

私は、取り返しのつかないことをしてしまいました。
こんな形で、まだ十分乗れる車を駄目にしてしまうなんて、自分の不注意が情けなくて、じっと力をいれていないと、子どものようにしゃくり上げて泣いてしまいそうでした。

昔、飼っていたカナリアを、エサをやるのを忘れて、死なせてしまった日のことを急に思い出しました。

ごめんね。
もっともっとオンボロになるまで、エンジンの音も変わって、少しも走れなくなるまで、一緒にいるつもりだったよ。
傘をさしているから、泣き顔は誰にも見えないだろうと思いました。

小さな花束を、フロントグラスの中にそっと置きました。
本当は、声に出して、「いままでありがとう」って言うつもりでここに来たのに、どうしても声が出ませんでした。
お花、持ってきてよかった。
せめて、私の気持ちを伝えなきゃって、そう思って来たのだから。

それは、いつもの車の場所から、よく見えるところに咲いている花の花束でした。
あの空き地のこと、思いだしたかな。
あそこ、もう、この黄色い花がいっぱい咲いているんだよ。

本当に、本当にごめんね。

楽しかったね。
今まで、ありがとう。




[2010/06/14 22:00] 家族 | トラックバック(-) | CM(3)

これからどうなされるおつもりですか

ここさん おはようさんどす。

もうあの赤いお車はよみがえらないのですか。
それとも修理して元通りになるのでしょうか。

もうお車には乗られないのでしょうか。まだお若いのにお車は必要でしょう。ちょっと用事をするのに車がないと不自由でしょうがないと思います。

丹波で住むのだったら車がないと生活できません。

[2010/06/15 08:11] 塾長 [ 編集 ]

塾長さん、おはようございます。

塾長さんのコメントを拝見してから、やっぱりいてもたってもいられなくなって、今、廃車を取りやめに出来ないか電話して聞いてみたところです。
見ると分からないのですが、後ろの車軸が折れているのだそうです。もう一度、修理と車検の見積もりをしていただこうと思います。

[2010/06/15 10:23] ここ [ 編集 ]

ご報告と御礼

車、帰ってくることになりました!
まずは今朝、塾長さんのおかげで、勇気を出して電話をしたのが始まりです。それから、今日一日、いろんな方のお気持ちで、山の藻くず?と消える運命だった車が、とうとう生きて帰れることになりました♪
このところの哀しい気分が一気に晴れて、嬉しい日になりました。
ご報告と、心からの御礼を申し上げます。
ありがとうございました。
[2010/06/16 00:47] ここ [ 編集 ]

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