旅日記 臼杵城下2 

こんにちは
雨の日曜日です。

旅日記の続きです。
大分の旅も、もう半月も前の話になりました。

私たちは、日暮れも近くなってから、臼杵城跡に登りました。
戦国時代のキリシタン大名、大友宗麟のお城です。

城跡は、町のはずれにあって、すごく大きなビル、ほどの大きさでした。
階段は急斜面。
城壁の大半は、石垣ではなく、岩。
階段の途中のソメイヨシノが、もう花をつけておりました。
大きい木枠のちょうちんが並んでいて、それには墨で「パーマ」とか「修理石工」とかの宣伝文句。
かなりレトロでしょう。
桜祭りの準備なのだそうです。

上に上がると、そこは思った以上に広くて平らでした。
公園、神社、奥にはグランド。
ジャングルジムとか、大きなクスノキ、銀杏の木、能舞台。
いろんな時代のいろんなものを乗せて、お城は町を見下ろしていました。

上からの眺めはそれはそれはみごとでした。

町を囲むようにある山なみ。
武家屋敷、寺町、商店街、漁師町。
向こうに子どもの頃から知っている「フンドウキン」のお醤油工場。
足下には、学校や教会の建物。
反対側には海と港。
赤くて安っぽい鳥居と、港町商店街という看板。

まるで絵本の中の街の絵のように、いろんなものが全部詰まって、本当の町が見えていました。

幼いころ、いつかお姫様になるかもしれないって、真面目に夢みていた私。
下々の暮らしを、こうして城山から見下ろす時くらい、ぜひともお姫様気分で、と秘かに気合いを入れてみました。

ところが哀しいかな、お姫様のはずの私が眼下の町に探しているのは、小さなわが家で暮らす庶民の私。
お城の山に登っても、少しもお国や町の行く末を案じたりしないのでした。
私の眼に見えているのは、長い長い時間繰り返されてきた、普通の人の暮らし。
もう、身分制度なんてすっかりなくなってしまったけれど、ちいさな毎日の出来事は、遠くそんなものがあった頃から、さして変わっていないのだろうと思いました。


少し日が暮れてきました。
私たちは、お城の山を下りて、車の所へと歩きました。
すっかりお腹をすかせた私たち3人、途中、名物「臼杵せんべい」のお店で、おみやげにおせんべいを買いました。

まき衛門さんが、「子どもの頃は、このおせんべいの缶の石仏の写真、首が下に落ちている写真だったんですよ」なんていうお話。
それってやっぱりちょっと気味が悪いかも。

お腹がすいた私たちの、歩きながらの話題は、ねたのさん家の桜えびの掻き揚げのお話。
おせんべいをかじりながら歩きます。

まもなく飲み屋街に入りました。
まだお店が開くには少し間があるようすでしたが、お店の数も多くて、灯が入ればかなり賑やかそうでした。
ふぐの肝が名物なのだそうです。
ふぐの肝って、食べたら死んでしまうのではなかったかしらん。

そうそうこのあたり、どこかに似てると思ったら、「千と千尋」の、お父さんとお母さんが夢中になってごちそうを食べてしまったあの不思議な町。
そういえばさっきから、何となく時間がねじれてる。

大丈夫。
信用金庫の前に駐めてあったまき衛門さんの車には、千尋の家の車みたいに葉っぱが積もったりしていませんでした。

その夜の楽しいお食事の後、まき衛門さんと、送って下さった弟さんと別れました。
翌朝は、何だかバタバタとねたのさんと別れました。
初対面とも、昔からよく知っているともつかない、懐かしいお二人でした。

何だかね、時間とか場所とかそんなこと、あんまり気にしなくていいことなのかもしれません。
こんな風に思うのは、臼杵の町のせいでしょうかね。

帰りの電車の窓から、菜の花が見えました。
私は、少しうとうとしながら、ずっと昔行った、祖母のお里のことを思い出していました。


廃線の草の堤のトンネルの向こうは一本道と菜の花  ここ




 
< 大分の旅より >


菜の花や石の仏に石の衣

ここもまた落人の里諸葛菜

案内せむ従者の声ありまむし草

旅なれば借るもの多し山桜

椿活けて人の少なき城下町     



[2010/04/12 01:38] 旅日記 | トラックバック(-) | CM(2)

こんにちは
楽しかった旅が終わりましたね。
一か月経ってもここさんの中では今、帰ってきたばかり・・・の様な気持ちではありませんか?

私も、丹波のオフ会から一ヶ月近く半経ちますが、
思い出す景色、友人達の笑顔はついさっきまで・・・という感じです。
特に景色は、その後のブログに出てくるたびに記憶が新しくなりますね。
[2010/04/12 12:50] - [ 編集 ]

こんにちは。

そうなんです。半月たった今でもまだ、旅の余韻の中にいます。
丹波、よい旅をなさったのですね。丹波の方々、私もお目にかかりたいなあと思っています。
[2010/04/12 16:31] ここ [ 編集 ]

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