白木蓮 

こんにちは
今日は雨です。
のんびりした気持ちで過ごしています。

今日は日曜日ですけれど、みんな出かけてしまって一人です。
リビングの窓から、すぐ近くに満開の白木蓮と、庭の雪柳。
目の前は白い花でいっぱいです。

久しぶりに母からメール。

「 
  この道筋の家の白木蓮が満開でとても綺麗です。
  あなたと東京に下宿を探しに行った時が丁度今時分だったのですね。
  東京の白木蓮がどこも咲いていて綺麗だったのを、今も想い出します。
                                              」
 
私は今でも、ちょっと何か落ち込むことがあったりすると、母に電話をかけます。
母は、人生を通じて強運の人で、これまでの私たち家族の幸せは、母の強運によるものだと家族みんなが信じています。
電話で母の声を聞くと、くよくよしていたのも忘れて、何だかこっちに運が向いてきたという気がしてくるから不思議です。

白木蓮。

そういえばあの時、下宿を探して、二人でずいぶん歩きました。
そんなことあったなあ。
すっかり忘れていました。
考えてみたら、私が高校を卒業した年、母は今の私の年くらいなのでした。
私には、その日の木蓮の花の記憶はありません。

母にとっては、あの時が初めての東京でした。
不動産屋さんを訪ねて、下宿を探したりすることも、初めての経験であったと思います。
 
がんばったんだね、ママ。

よく思い出せば、私たちの家族も、いいことばっかりではありませんでした。

そういえばねえ、大学卒業した年って私、ツイてなかったよね。
絶対あの時天誅殺だったと思うよ。そう思わない?

あら、そうだった?
でも結局は良かったじゃない。
ママは全然そんなこと思ってもなかったけど。

えっ、そうなの。

別々の場所に咲いた、白い木蓮の花。
今、リビングから見ている花が、母の住む近くでも咲いていること、
母が私の年の頃にも、同じように咲いていたこと。

物語りとは、そこにある物にまつわる思いを語ることなのでしょう。
見えている物の向こうにある、見えないいろいろ。

白い木蓮の花のおかげで、あの時母が、どれほど一生懸命であったかということが、何十年もたって、同じ年頃になった私の中に届いています。

母の強運。
その強運も、母が必死で作ってきたものなのだろうと感じます。
自分が母親になってみると、そんな気もするのでした。


 「 
   そうそう、一昨日川土手に土筆が沢山出ていたので、
   パパと一緒にハンカチ一杯に包んで帰りました。
   すぐに湯がいて卵とじにしていただきました。
   すごーく美味しかったですよ。
   
   残りは今日お菓子にしました。
   今度のお茶の時に使ってみょうと頑張ってみましたが、
   思った程にはうまく出来なくてがっかりです。
   
   あなたも、土筆召し上がっていらっしやるようですね。 
   夜も更けましたので又にしましょう。
 
   おやすみなさい。」


東京では今ごろ、あの白い木蓮の花が咲いているかも知れません。






[2009/03/22 13:21] 日記 | トラックバック(-) | CM(4)

              今晩は。有難う御座いました。
この記事を読んで、私の高校合格を祝って、母が私の好物の蕎麦を腹いっぱい食べさせてくれました。40数年前の出来事です。今は、お地蔵さんの様に部屋にいるだけの母ですが、あの時の嬉しそうな母の姿・顔が甦っています。母は若く、生き生きとして、自慢したい位の母でした。        忘れていた母の姿をプレゼントして頂き、感謝です。
[2009/03/22 22:37] アガタ・リョウ [ 編集 ]

アガタ・リョウさん、こんばんは。
身に余るお褒めの言葉とうかがいました。
ありがとうございます。
いつも御ブログをとても楽しみに拝見しています。そのアガタ・リョウさんからコメントをいただけて、とても嬉しいです。
私はといえば、いただいたコメントが、短いのに、胸に迫って何だか涙が出ました。
涙しつつ、さすがだなあと思いました。
どうぞどうぞ、またお越し下さい。




[2009/03/22 23:27] ここ [ 編集 ]

白木蓮、東京で今花盛りですよ。

私も昨日散歩に出て、ああ、白木蓮が綺麗だなあ、と見上げたばかりです。
おかあ様との大切な思い出の花なんですね。
「若き頃の母の姿」というのは、もうその言葉を聞いただけで、じんとくるものがあります。
子育てに必死だった母の若き日の姿。
それは自分が同じ年くらいになって、同じように子供を育てている時になって
初めて見えてくるものなのでしょう。
私も今から20年近くも前のちょうど今頃、娘のアパート探しに駆け回っていました。
引っ越しもすんで、娘の部屋が空っぽになっているのを見ると、
胸の中に穴が開いたような淋しさを感じて、しばらくの間は
「空の巣症候群」から抜け出せませんでした(笑)。
大学院修了。おめでとうございます。
[2009/03/27 00:14] 沈丁花さん [ 編集 ]

沈丁花さん、こんばんは
そうですんか、東京では今、白木蓮が咲いているのですね。お知らせ下さって、本当にありがとうございます。こうして、直接教えていただけたおかげで、私の記憶にはないはずの東京の白木蓮を目の前に見るような気がいたしました。
沈丁花さんが、子育てに心を砕いてこられたこと、お嬢様もまた、何かの形で深く感じていらっしゃることと存じます。
大学院が終わっただけで、既にちょっと「空の巣症候群」的症状でいます。この先が思いやられます。
ありがとうございました。


[2009/03/28 00:44] ここ [ 編集 ]

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