旅日記 国立国際美術館 

こんばんは。
夜中になると、涼しい風が吹き始めます。

大阪の旅の続きです。

今回の私の観光テーマはいつのまにか建物。
翌朝、せっかくですからあと1ヶ所と思いましたがこの暑さです。
涼しくて、建物がいいところというので、国立国際美術館に行くことにしました。

大阪駅に荷物を預けてバスにのりました。

バスの中で、白髪の女性が、岩波文庫を開いていました。
麻の白っぽい服に幅広の皮のベルト、編み地のバッグ。
あれは何の本だったのでしょう。

行ってみると国立国際美術館は全て地下でした。
入り口だけが地上に出ています。
建物がいい?
地上にあるのは、角のような高いシンボルだけ。
催しの案内板も外に置かれていました。

「塩田千春 精神の呼吸」
「モジリアニ展」

誰もがみんな、入り口を入ってすぐに、ガラスのエスカレーターに乗って降りていきます。
私も黙ってエスカレーターに乗りました。

降りてゆくその先は、明るくて広い空間でした。
あちこちの椅子にてんでに人が休んでいて、糸のからんだ塩田さんの作品にかがみ込んでいて、案内の男の人が声をあげていて、
それが上からみんな見えます。

私も、その全体がよく見える位置から、次第に降りてゆきました。

かがんでいる人は、作品である数知れぬ靴の一つ一つにつけられたメモを読んでいるのでした。
メモはそれぞれの靴の説明でした。
ただ、どんなふうに履かれた靴かを書いたメモなのに、自然にそこにかがみこみます。

次に、私は白い壁の広い展示空間を茫然と歩きます。
初めは確かに、モジリアニの作品を見ていたはずなのに、気付いてみると私は、いつの間にか、そこに描かれた見知らぬ人物の人間性について批評しようとしていました。

茫然としたまま、私は再びエスカレータに乗りました。
ふり返ると、下の方に、かがんだ私や茫然と歩く私が小さく見えています。

エスカレーターは透明めいて、それがあらかじめ決められた道筋であることに気付かなかったけれど、
私は、さっきからずっと、誰かの描いたとおりの動線を動いていたのでした。

外から見える形はないけれど、これはやはり「建物」なんだなあ。
私は、茫然としたまま、また、全体が見える位置に来ていました。

ただ導かれて行くばかりの我が身。

真夏の道を行くバスの中、岩波文庫を開く私。






[2008/08/06 01:10] 旅日記 | トラックバック(-) | CM(4)

●ここさんこんばんは!
大阪に見えておられたのですね。ご一報いただければお会いできたかも、残念ですがまたの機会にね。モジニアニ展良かったでしょう。僅か六年の作画活動であれだけ重厚な情念が描けるとは!夕刻集中豪雨で枚方は混乱していました。猛暑の折ご自愛ください。メールアドレスまたお願いします。ではではまた・・
[2008/08/06 23:50] shimoigallery [ 編集 ]

モジリアニ展

とてもよかったです。
たった6年だったのですね。
最後には、作品を見ているのか、モジリアニの人間観を味わっているのか分からなくなるような感じでした。
大阪、2泊三日で、研究会に参加して参りました。自由時間が少なかったので、北浜界隈を少し散策しただけですが、大阪が好きになりそうです。次は是非お目にかかりたいです。メール、先月一度送ってみました。届いてないでしょうか。

[2008/08/09 23:13] ここ [ 編集 ]

●ここさんこんばんは
メールアドレスの件届いていないのか確認できませんでした。相すみませんがもう一度お願い致します。もうすぐお盆ですが、猛暑の日々が続きます。どうかご自愛ください。
[2008/08/10 00:43] shimoigallery [ 編集 ]

shimoigalleryさま。
今日メール、送ってみました。
届いてるといいな。
[2008/08/10 21:05] ここ [ 編集 ]

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