花火 

こんばんは
今日は少し涼しい晩です。

夏祭りで、夫の里へ帰っていました。
山の中の、村という方が似合う小さな町ですが、毎年夏祭りには花火が上がるのです。
娘には、私の昔の浴衣を着せました。

夜店が、町の古い街道筋のところどころに、灯をともしています。
ヨーヨーつり、かき氷、金魚すくい、大判焼き。
おもちゃの屋台は特に人気です。
このお祭りの夜にだけ現れる、不思議なおもちゃ屋さんです。
ネックレスや、拳銃、羽のついたペンとか、お人形の家具。
子どもたちと、その後ろの大人達。

今は無くなったけれど、町の名物だったおまんじゅうが売られています。
商工会の前の広場の特設ステージでは、ハワイアンが演奏されていました。
前の方はござ席です。
席はたくさん空いているものの、でもたくさんの人が見ています。
司会者は、慣れた感じの女性です。
次は何とかいうプロの歌手の歌だそうです。
昔、東八郎が来て歌ったことがあるんよ。上手だったよって、そばにいたお祖母さんの話。
ずっと前にも誰かから聞いたことがあります。

娘は、とっくにいとこと一緒にどこかに行ってしまいました。

花火が始まるようです。
橋のところから、見ることにしています。
ずっと前に、橋から見るといいよ、と義母が教えてくれました。
夫と二人、欄干の去年と同じあたりにもたれながら座りました。

花火が上がり始めました。
間もなく、隣に座った人が抱いている子が、怖がって、泣き出してしまいました。
そういえば、娘も初めての花火の時、大泣きになって、困り果ててすぐに帰ったのでした。

結婚以来毎年、私は、この橋の、このあたりに座って、花火を見ているのだと思いました。
浴衣を着ていたり、子どもを抱いていたり、楽しかったり、悲しかったりしながら、この花火を見ているのだと思いました。
花火の明るさが、この小さな町全体を照らし出していました。

そういえば、祭に帰らなかった年も、何回かあったのでした。
そういう年は、夏祭りの花火を、義母は一人で見るのでしょうか。
ここから一人で花火を見たのでしょうか。

幼い頃両親と見た、宮島の花火
もう誰と見たのか忘れてしまった錦帯橋の花火

幾重にも重なりながら、開いては落ちてゆく花火を見ながら、
私は以前のことや、この先のことを、ぼんやりと考えていました。

ひときわ明るい花火が上がって、
それから次々にいろいろな花火があがって、
そして、今年の花火は終わりました。

夫が無言で立ち上がりました。
さっきまで止まっていた夜のお祭りが、また始まっていました。
その中を、夫とならんで、私も黙って帰りました。








[2007/07/31 00:08] 日記 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://coco104.blog91.fc2.com/tb.php/143-e7b17ef2