豆撒きの朝 

おはようございます。
いいお天気ですね。

食卓の上、無骨で丸くて重い器に、昨夜撒き残した豆が残っています。
ずっと前に信楽に遊びに行った時、体験工房で夫が作った器です。
昨夜の宴の跡です。

床に落ちた豆は、あっという間に犬のキトリが食べてしまいました。
食いしん坊のキトリにとっては、いきなり家中に降ってきたごちそうです。
狂喜の体で大急ぎで食べます。
みんなでその様子を見ては大笑いしました。

年の数だけと言われて、まじめに我慢していた子供の頃。
もう、年の数なんて食べられなくなって、ようやく、そんなことどうでもよかったんだって分かる。
それが分かるのに何年かかったことでしょう。

家中の窓を開けて、「鬼は外」と声に出して。
幼い頃は、鬼がかわいそうで、「ふくはうち」しか言えませんでした。

この家の外には、畑や、桜の木、向こうに見える街。
街には、大事な私の友達が住んでいます。
離れたところに、父と母が住んでいます。
遠い遠い街に、昔好きだった人が住んでいます。

鬼は外、といいながら、その人たちのことが思われます。
みんな、豆撒きしたかなあ。
さぼっているのではないかなあ。
一人暮らしだから、とか、忙しいとか、疲れたとか自分に言い訳をして。

今の私は、「鬼は外」と平気で言います。
あちこちの家の豆撒きのせいで、外は鬼であふれかえっています。
まあ、鬼だっているさ。
このくらい豆を撒いたところで、効き目は今ひとつに決まってる。
私が「鬼は外」って言ったくらいで。

今朝、この窓から見えているのは、いつもと同じ畑と、桜の木と、向こうに街。
昨日追い出された鬼たちはどこに行ってしまったんでしょう。

鬼のいる街に、みんな住んでいる。
私も、友達も、父も母も、昔好きだったあの人も。

さ、お茶にしましょうか。





[2007/02/04 10:29] お友達 | TB(0) | CM(0)

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