遠足 

こんばんは。
いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
暑中お見舞い申し上げます。

今日は、新幹線さくらに乗って、福岡に参りました。

通路をはさんで向こうに、男女お二人ずつの4人連れ。
向かい合わせに座って、とっても楽しそう。

お年の頃は、そう、60前くらいでしょうか。
みなさんどうやらお友だち同士のようです。

おやおや、まだ11時なのに、早めのお弁当です。
皆さん、手作りのお弁当をご持参のご様子。

これは、きっと、遠足です。
間違いありません。
大人の、遠足です。

大人の遠足と申しましても、全然大人っぽくありません。
それは大はしゃぎ。
だって遠足なのですから。

あ、おつけもののやりとりなんかなさっています。
お、からあげの交換。

4人とも、お弁当の間中も、ずっとおしゃべりのし通しです。

窓側のふくよかな男性。

デザートはね、鹿児島中央駅のしろくまですよ。

ふふ、これから鹿児島にいらっしゃるのですね。
白くまアイス、おいしいですよー。

通路側の女性が、カバンから大きな水筒を出されます。
どうやらお湯が入っているみたい。

コーヒーを淹れています。
コーヒーのいい香り。

大人の遠足。

楽しそうです。




[2012/07/30 23:43] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

ではみなさん 

こんにちは。
青い青い空の下、蝉の声がずっと聞こえています。

先日のゼミの時に、学生さんがみんなに紹介してくれた詩。
とてもよかったので、ここにご紹介いたしますね。



   黒板          高見順


 病室の窓の
 
 白いカーテンに
 
 午後の陽がさして

 教室のようだ

 中学生の時分

 私の好きだった若い英語の教師が

 黒板消しでチョークの字を

 きれいに消して 

 リーダーを小脇に

 午後の陽を肩さきに受けて

 じゃ諸君と教室を出て行った

 ちょうどあのように

 私も人生を去りたい

 すべてをさっと消して

 じゃ諸君といって 



これは、高見順さん最後の詩集『死の淵より』に収録されている作品です。
当然この詩には、死に向かう作者の気持ちを読みとるべきところなのでしょう。

でも、学校の先生である私にとって、印象の強いのは、
陽のあたる午後の教室の風景や、この若い英語の先生の姿でした。

満足できる内容の授業を、よい時間にちょうど終わらせて、本をパタンと閉じ、学生さんを見渡して、

じゃあ諸君、

なんて言いながら教室を後にすること。

そんなことは、なかなか出来るものではありません。

私なんぞは大体、授業の終わり頃になって、言い忘れたことなどをあくせく早口でしゃべったり、(ひどいときには少々延長)、
もっと情けないことには、時折内容の浅~い授業をしてしまいます。
その上そういうときに限って、知ったかぶりなセリフを口にしてしまったり。
ああ、穴があったら入りたい。

日々こんな思いをする人も、世の中には必要なのだと言い聞かせつゝの先生稼業。
毎日の生活だって、バタバタやらいいかげんやらばかりです。

じゃあ諸君、

この言葉には、
そして、黒板の字をご自身で消してから教室を出られるところにも、
授業を聞いてくれた生徒たちに、人として対等に接しようとなさる、この若き先生のご姿勢が表れているように思います。

ああ、いつの日か私も、

黒板消しでチョークの字をきれいに消して、

午後の陽を肩先に受けながら、颯爽と教室を出て行く、

そんな風になりたいなあと思います。


ではみなさん、ごきげんよう。

なんて言いながら。








[2012/07/28 13:20] 教育 | トラックバック(-) | CM(4)

幸せを運ぶトリ 

こんにちは。
リビングから、合歓の花がいっぱいに咲いているのが見えています。

出窓のところに、カッタ君がいるのが目にとまりました。
何だか久しぶりな気がします。

カッタ君は、陶製のペリカンです。
結構、芸術的な出来映えだと思います。
確か、常盤公園の美術展かなにかの折に、両親から買ってもらったのだと思います。

カッタ君は、ずっと前からそこにいます。
結婚以来、なかなか子どもを授からなかった私たちでしたが、
カッタ君が我が家にやってきてまもなく、嬉しいお知らせが届きました。
コウノトリならぬ、ペリカンのカッタ君です。

そんなわけで、私のお腹にいて、未だ名もない間の我が子の名前は、カッタ君でした。
出産費用やいろいろのために新しく作った郵便貯金通帳には、今も「カッタ君通帳」と書いてあります。

カッタ君、さくらちゃん大きくなったよ。
今日も元気に学校に行ったよ。

時折の涼しい風にゆれる、白い麻のカーテンの端っこで、
カッタ君は、胸を反らし、長い首をキュッと起こして、今日もじっと外を見ています。








[2012/07/23 10:59] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

滋養をつける 

こんにちは。
それにしてもよく降りました。
今日は、ピカピカのお天気です。
遠くの鉄塔と送電線まで、くっきりと見えています。

暑くなってまいりました。
そういうわけで、先日、滋養だとか申しまして、土用を待たず、うなぎをいただきに参りました。
知る人ぞ知る「うな徳」でございます。
その日ご一緒したのは、勤務先の極小俳句会のお仲間です。

あそこ、美味しいですよね、と私。
あんた、あの店に一人で行ったんかい。
とかいう会話を経て、皆で行くことになったのでございます。

いつもはほとんど集まらないのに、この日ばかりは全員参加。
初めて参加の方も入れて、なんと総勢6名。
うなぎの魅力は絶大です。

まずは、曲がりなりにも句会です。
人間、ごほうびがあると、急に真面目になったりするものでございます。
南牛先生のご提案で、すでに2階の座敷が申し込んでございます。

遅れそうになって急いで駆けつけた私。
汗だくになって到着。
店主があごで指した階段から、そろっと2階へ上がりますと、
まさかのクーラー無し。
窓無し。
端によけた荷物にブルーシート。
ひええ。

先にいらしていたお三方、気の毒そうな表情で、私に扇風機を向けて下さいました。
心なしかゆらゆらする座卓。
表面は、少々ネトネト感あり。

2リットルのペットボトルの麦茶を、古めかしい湯飲みでいただきながら、大急ぎの句会です。
この日に限っては、投句は事前にパソコンで打って来ておりました。
「うなぎ」に向けて、万全の体勢です。

こんな風な、狭くて暑いところ、ずうっと前にも体験したことがあったなあ…。

頭がぼうっとして来たころ、句会は早々に切り上げて、階下へ。
降りながら感じる一階の冷気に、ようやく生き返った心地がいたしました。

階下は、大型のクーラーが効いて、寒いほど。
ご主人が一人、ぽつんと腰掛けていました。
さっき見かけた先客お一人は、すでにお帰りのようでした。

こちらはいつの間にか8人。
うなぎの魅力は絶大です。

勝手にテーブルを動かして、輪になって腰掛けます。
割り箸も自分たちで出します。

するとまずは、ビニール袋ごと渡された骨のおせんべい。
どんと置かれた鉢には、黒々とした煮魚が山盛り。
そして噂に聞くうなぎのお刺身。
わいわいがやがやとみんながしゃべっています。

そうだ、いいものを飲ましてやろう。

小さなグラスに、少しずつ配られた琥珀色。
蜂のお酒…。
18年もの、55度もあるのだそう。

ええっ~。
そんなの絶対飲めない、と思ったけれど、ちょっとだけ飲んでみます。

あ、おいしい…。

身体の中央が、きゅーっといたします。
これは、おかわりです。
みんなもおかわりです。
どれが誰のグラスかわからなくなりましたけれど、そんなことを気にするのなんて馬鹿らしい限り。
グラスは最初からちょっと曇っていましたし。

後で、その美味しいお酒の瓶を見せていただきました。
そこには、ぎっしりと黒いスズメバチ。
ギエーッッ。

気がつけば、お店の壁には、野生蜂の蜂蜜と書かれた小瓶がぎっしり。
他にも、いろいろな色の蜂蜜の瓶がならんでいます。
さっき見たのと同じような蜂入りのお酒もあります。

この蜂蜜を舐めてみろ。

大いばりのご様子のご主人。
みんな順番に、少しずつ蜂蜜を舐めさせてもらいます。

あま~い。

ご機嫌のよくなったご主人、とうとう蜂の巣を持って来ました。
ほら、食べてみい。

ボウル状の巣のくぼみの一つ一つに、白い小さな蜂の子…。

う~ん。
これはやっぱりダメです。

皆さん、一つずつほじり出して、召し上がりました。
(私の他にも、ダメな方がおられましたけれど)

最後の鰻重は圧巻。

ご機嫌のご主人。

この店に来たいろんな芸能人のお話。
さっき来ていたのは、誰もが知っている大会社の会長さんだとか。
101才という方のお元気そうな写真とか。

ああ、すっかりおなかいっぱいです。
何だか、いろんなことが、どうでもいいような気がする満足感です。

片付けを手伝った方がよいような雰囲気に、みんなで手分けして、食器を下げました。
台所は、壮絶な様相を呈してはおりましたが、作業場としての気概といいましょうか、まあ。

私は、蜂蜜を一瓶買いました。
誰もがちょっと興奮気味で、大声で話ながら、それぞれの帰途につきました。

ちょっと元気になった夜でした。


*後日談
蜂の子を召し上がった方は、みなさん、朝方まで目が覚めて、眠れなかったそうです。
蜂の子、恐るべし。




父譲りの甘く縮れし髪洗ふ

月見草また飼犬と話しをり       ここ






[2012/07/18 14:34] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

短夜 

おはようございます。
今朝はずいぶん早く目が覚めてしまいました。
明け易いこの頃の朝です。

昨日、福岡の部屋に戻ってまいりました。
また、一週間の始まりです。

先週末は、この部屋に、娘が泊まりに来てくれました。

洗って伏せてある食器が二つずつ。
いつもと違う、お風呂の洗面器の位置。

娘がここで過ごした名残のいろいろ。

ちょっとだけ、さびしいかな。

さてと。
新しい一週間の始まりです。



[2012/07/11 08:17] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

七夕 その後 

こんばんは。
今日は、久しぶりの梅雨の晴れ間。
いいお天気でした。

おとといは、七夕さまの日でした。
一年に一度の大切な晩です。
そちらは、晴れましたでしょうか。

今年の七夕は、ちょうど土曜日でした。

娘は、定期試験と模擬試験がようやく終了。
お気に入りのワンピースを着て、福岡の私のところに遊びにやって来ました。
以前から、試験が終わったらという計画で、楽しみに楽しみにしていたのです。

早速、お洋服のお買いものです。
かわいい雑貨屋さんものぞきます。
その間も、ずっとおしゃべり。

ふと、我に返ります。

そういえば、今日、七夕だね。パパ一人だよ。
うん。

週の半分、家族が別れて暮らしているけれど、行事はなるべく一緒にと思っています。
去年の七夕は、一日遅れ。
それでも、笹飾りをして、お願い事もいたしました。

ああ、今年は笹飾りもしていません。
初めてのことです。
七夕の晩に、夫を一人にしてしまうなんて…。

そういえば。
その後の牽牛と織女は、どうなっているのかしらん。

牽牛と織女。
一年に一度の逢瀬です。
一年の間に、どんなに逢いたい気持ちが募ることでしょう。

しかし、それ以外の日は、それぞれに日常に追われています。
織女は、彼との間に授かった子を育てているかも知れません。
(牽牛が育てているかもしれません。)
それぞれに、働き盛り。
うき世の義理もございましょう。

切ない約束のその日が、どうか晴れますように。
もし雨が降れば、またもう一年逢えなくなってしまう二人のために、日本中のみんなが祈ります。
その甲斐あってか、今宵は晴れ。

おしゃれした娘と二人、お買いものの後はお夕食。
雨もすっかり上がって、レストランのガラス窓からきれいな夜空が見えています。

仕方ないね。
パパにおみやげ買って帰ろうね。

牽牛と織女。
晴れても逢えない、彼らにも、そんな日が来ているかもしれません。








[2012/07/09 21:42] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

ふろく 

こんばんは。
7月になりました。
雨が来るのを待っているような、夕方です。

先日、久しぶりに、雑誌を買いました。
付録つきの雑誌でした。

雑誌の間の粗末な紙の箱から、青い模様の扇子が出てきました。
見知らぬ誰かから、プレゼントをいただいたみたいです。

付録、嬉しい。

今日、そのお扇子を持って出かけました。
電車の中で、ちょっと出してみました。

夏の真昼の電車。
人はまばらです。

あおいでみました。
冷房の冷たい空気が風になります。

これはちょっとすてき。

これを付録にしてくださった方は、
きっと、日本中の街角で、たくさんの人が、これを使っているところを想像なさったことでしょう。

もしかしたら、この電車の中の誰かが、同じのを持っているかもしれません。

プレゼント、ありがとう。
こんなところにも、あなたの青い扇子が揺らめいていますよ。



[2012/07/02 22:05] 日記 | トラックバック(-) | CM(6)