この人に現れる 

こんばんは。
桜並木では、蝉たちがずっと鳴いています。

自転車が、またパンクしたような気がして、例の自転車屋さんに行きました。
また行きたいなあと思っていましたから、きっと自転車の方で気を利かせてくれたでしょう。

初め、店先におられたのは奥さんだけでした。
すぐにおしゃべりが始まりました。

えっ、広島から来たの?
私らの下の息子、広島にいるんよ。
わあ嬉しい。ちょっとお父さんに言ってくるね。
おとうさーん。

先日お目にかかった、障害のある息子さんの弟さんなのでしょう。
奥さんたら、私と自転車を置いて、お店の奥に入っていってしまいました。

広島なんだって?

お父さんが出てこられました。

それからは、広島で働いている下の息子さんの話です。

吉島町に官舎があってね。そこに住んでる。
時々、日帰りで車で往復するのだそうです。

あの子もようやく大人になってきたよ。
ありがと、なんて言ってくれるよ。

ああ、お二人とお話していると、なんだか嬉しいような気持ちがしてきます。

単身赴任?そりゃあ寂しいねえ。
他のお客さんにも知ってるよ。博物館にお勤めの女の人。

お二人の優しさが私の中にすうっと入ってきて、染みていくように感じます。

またおいで。
は~い。

私は、心地よい余韻の中を、ゆっくり自転車をこいで帰りました。



帰りながら、ふと思い出した聖書の一節。

「この人が生まれつき目が見えないのは、だれが罪を犯したからですか。本人ですか。それとも両親ですか。」
イエスはお答えになった。
「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。
神の業がこの人に現れるためである。」



[2011/07/29 00:08] 日記 | トラックバック(-) | CM(4)

成り上がり 

こんばんは。
川土手で、虫が鳴いているのが聞こえています。
早いなあ。

今春から、広島と福岡を往復する生活を送っております。
今や、新幹線もご常連です。

ところで新幹線。
あなたは「自由席派」でいらっしゃいますか?
それとも「指定席派」?

私?
私はもちろん「自由席派」です。
だって、誰にとっても予測不能な人生というもの、どこでいつ、何に出会うとも知れませんもの。
それなのに、将来乗るかもしれない列車の、それも「座席」を予約するなんて、ね。

ところが、です。
このごろ私、ご常連よろしく、「EX予約」とか「e5489」といった、ネットからクレジット決済で乗車券と指定席券を購入するサービスを使い始めたのでございます。

このサービス、なんと、指定席も自由席も料金が同じ。
折角だから、などとうそぶきつつ、その実嬉しそうに指定席に座っているのは何を隠そうこの私。
「自由席派」だと大見得を切りながら、ああ、貧乏症とは、実に癒やしがたい病でございます。

そういうわけで、計画性のない自由な精神の持ち主の私も、とうとう指定席の人となりました。

それにいたしましても、この世では、どんな世界の生き物も、大きく二種類に分けられるようですね。
一つは、何事にも早め早めにとりかかる種類、もう一つは、何事にもぎりぎりにとりかかる種類。
当然、前者=指定席車両の人々でございます。

16両編成の1号車から3号車と言えば、山元霞む遙か彼方。
おやまあ、到着までまだまだ間のあるホームを、荷物を抱え、われ先にと走っているのは、自由席の民。
指定席をご予約なさったらよろしかったのに、ホホホ。
まるで、試験直前だけ頑張る高校生みたいですこと。

それに引き替え指定席車両は、座っている人々の顔つきからして違いますね。
乗り込む時も、慌てず騒がず、上品なこと。
指定席の車両は人もまばら。
その上座っているのは、全員あらかじめ座席を指定してから乗るという人々ですから、いたって涼しく爽やか。
空席も少ない上に、疲れた人々が多いせいか、酸素も薄くなりがちな自由席なんて、私には、到底考えられません。

あら、人知れぬ苦労はあるんですよ。
例えば先日の博多駅。

着いたのはもちろん時間ぎりぎり。
それなのに、窓口のお兄さんが、いかにものんびり。
もしも予約した列車に乗り遅れたら、この期に及んで次の列車の自由席に乗ることになってしまいます。
せっかくここまで這い上がったというのに、いまさら自由席に転落するわけには参りません。

ね、
予約した列車がもうすぐ来るから、
お土産を絶対買わないといけないから、
不足金額は50円ってわかってるから、お願い、急いでっ。

「料金を計算して参りますので少々お待ちください。」

えーっ。

私に残された道はただ一つ。

「おつりはいりませんから」

窓口に100円玉を残し、走り去ったのでございました。ホホホ。


[2011/07/27 01:27] 日記 | トラックバック(-) | CM(6)

遅七夕 

こんばんは。
夜も11時前になって、ようやく涼しい風が吹いてきました。
涼しくて気持ちがいいです。
こんな夜中に、まだ蝉が鳴いています。

少々遅くなりましたが、今年の七夕のお話を。

今年は、笹飾りにお願い事をなさいましたでしょうか?
我が家は毎年、背丈ほどの笹をご近所からいただいてきて、折り紙で飾り付けをいたします。
娘が我が家に来てくれる前からずっと、毎年の大切な行事にしてきました。

今年の七月七日は木曜日でした。
夫と娘は広島で、私は福岡で七夕の夜を過ごしました。

火曜日の朝は雨。
夫に、「七夕をお願いします」と言って出かけました。
7日の夜になって、電話で聞いてみたら、やっぱり笹飾りはしなかったみたいでした。

土曜日の夜遅く、帰ってみたら、出窓の花瓶に小さな笹飾り。
夫と娘の短冊が、二枚ずつです。
残りものの折り紙で作ったのでしょう、灰色とか黄土色の折り紙の短冊です。

一日遅れで作ったんだよ。
飾りが何にもないけどね。

二人ともちょっと得意そうでした。

「成績UP!!」
「ゴルフ80切れますように」

ふたりとも相も変わらずのお願いです。
私も早速黄土色の折り紙で短冊を作って吊しました。
ふふ、私のお願いは去年のとは違いますぞ。

「パパとさくらちゃんとたくさん一緒に過ごせますように」



[2011/07/18 01:17] 日記 | トラックバック(-) | CM(8)

お稽古 

こんばんは。
今日は、激しい夕立がありました。

母より。


 今日は夏のお点前の絞り茶巾をしました。
 お道具の取り合わせも色々考えて工夫しました。何とか無事終わりました。

 紫蘇ジュースと果物で寒天寄せにして出しましたら、とても綺麗にできていたので、食べるのがもったいない等と言ってもらいました。
 なにせ何時もぶっつけ本番、切って食べてみないと何とも言えない感じですが、甘すぎず、まあまあの出来栄えだったと思います。

 すごく疲れたので今までうたた寝していました。
 これからお風呂です。

 おやすみなさいー

                         」


新幹線の車窓に緑深まりてこは父母の生ひ立ちの里    ここ


[2011/07/12 23:46] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

忘れもの 

こんばんは。
夜になるとさすがに涼しくなりますね。

先週は、土曜日の夜遅い新幹線に乗りました。
席に着いてすぐ、持っていた帽子を帽子掛けに掛けました。
紺色のリボンのかかった、つばの広い麦わら帽子です。

結婚して、まだ娘がいなかった頃だと思います。
「グリーンカード」という映画をビデオで見て大好きになりました。
思うようにならないいろいろを抱えて、温室作りに熱中する主人公の女性に、
何だかうっすらと寂しくて、家に帰るとお庭仕事ばかりしていた自分を、少し重ねて見ていたのだと思います。

その頃、その主人公の女性が被っていたのと同じ帽子を、偶然デパートで見つけました。
ちょっと高かったのですけれど、大喜びで買いました。

夜の新幹線の窓辺に、ぽつんと麦わら帽子。
私は、褪せた紺色のリボンを見ながら、あのころの気持ちをちょっとだけ思い出したりいたしました。

しかしそれもまもなくのこと、すっかり寝入ってしまいました。
まあ、いつものことです。
運良く広島駅で目が覚めて、大急ぎで下車。
はっと気付いたら、帽子を持っていませんでした。

誰もいなくなったホームで、何となく、あの帽子はもう、戻ってこないかもしれないなと思いました。
新幹線が、私の帽子を窓辺に掛けたまま、暗い夜の中をどんどん進んでいる様子が頭に浮かびました。

実は忘れもの王の私。
学生時代は、しょっちゅう新幹線に忘れものをして、いろんな駅の遺失物取扱所のお世話になったものでした。
この頃は、見つかれば宅配便着払いで送ってくださるのだそうです。

ああ、一度手から離してしまったものが、再び戻ってくることってあるのでしょうか。
あののどかな時代にそうだったみたいに…。


今朝、家の前でお水やりをしていましたら、宅配便が届きました。
大きな箱に入った、古い麦わら帽子でした。







[2011/07/11 23:58] 日記 | トラックバック(-) | CM(8)