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白木蓮 

こんにちは。
晴れた日も、遠くが霞んで見えるこのごろです。

朝、娘と一緒にキトリのお散歩。

第一遭遇は、ご近所のタケモトさん。

明日、福岡に出発なんです。(娘の方を見ながら)よろしくお願いします。
しっかりしとってけえ、大丈夫よ。それに、すぐ帰って来てでしょう。
はい。しょっちゅう帰ってると思います。

私たちは、何とはなしに、タケモトさんの家の前の、白木蓮の古木を見上げます。

明日には咲くかねえ。今年はなかなか咲かんねえ。

この大きな木蓮の木は、年に一度、ほんの一時、一斉に大きな白い花を咲かせます。
散りながら咲くと言われる木蓮の花。
咲くと間もなく、白い大きな鳥の群れが飛び立つみたいに、散ってゆきます。
その花を、今年も私に見せたいと思ってくださっているのです。

どのつぼみも、白くいっぱいにふくらんでいます。
早ければ明日には咲くかもしれません。

これから留守がちの暮らしが始まります。
私は、去年の、おととしの、木蓮のことを思い出しながら、娘とキトリと一緒に、坂を下っていきました。


その場に居合わせることの、稀少。



追記(4/3)
 この週末は帰らないつもりで出かけましたが、やっぱり戻ってきました。
 木蓮がいっぱいに開いておりました。
 明日には散ってしまうと思います。
 家の前の桜が、3分咲きです。


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[2011/03/30 22:17] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

お魚やさんにて 

こんばんは。
朝、ほんのしばらく雪が降っていました。

お魚やさんに行きました。

お、いらっしゃ~い。
さくらちゃん、どうなったあ?

それがなぜか受かったんよ。

そりゃよかったね。おめでとー。
となると、おとうちゃんがこれから大変だねえ。

まあね。

それより、おかあさんの方がさびしいよねえ。

と、横から奥さん。
どうしてこんなかわいい人が彼と結婚してくれたのか、と誰もが一度は必ず思う(に決まってる)、色白でとってもかわいい彼女。
大きくて黒いナイロンの前掛けと長靴のせいで、絵に描いたこびとさんみたいです。

銀色の台の中は、いろんなお魚で、文字通り色とりどり。
並べ方で、今日はイイダコがおすすめらしいな、と思います。
鯛のお頭のおっきいのが450円。
メバル。
う~ん。

今夜は・・・このレンチョウにしよ。いくらになる?

奥さんが、大きなレンチョウをはかりに乗せます。

これ、パパとママとさくらちゃんに切って~。

ほいきた。

この辺でふらふら遊んでるの見かけたら、声かけてやってね。

遊ぶんならもっと街の方でしょ。

そっかー、高校生だもんね。
と、奥さんと私。

はい、630円なり。元気でがんばりんさいよ。

ん、ありがとー。まあ、またすぐ来るけどねー。

にっこりしながら待ってくださっていた他のお客さんたちに会釈して、お店を出たら、急に一人になった気がしました。

さあ、そろそろ夕方。



[2011/03/25 23:31] 日記 | トラックバック(-) | CM(10)

こわいもの 

こんばんは。
お夕食に、つくしの佃煮をいただきました。
今春の初ものです。

娘の高校入試が終わりました。
受けたのは、ちょっと難しいと思っていた近所の公立高校です。

ドキドキの合格発表。
入試の自己採点結果があまり芳しくありませんでしたので、両親ともダメだと思っていました。
喜ぶお友だちの中で一人落ちていることを想像すると、とてもかわいそうで胸が痛みます。

ね、発表ついて行こうか。
じゃあ駅で待っていてあげる。

とかいろいろ言ったのですが、一人で行くと言ってききません。

大丈夫、私そんなにヤワじゃない。

とうとう一人で出しました。

もしダメだったら、その場にずっといないで、すぐに帰ってきなさいね。

新しく買ったばかりの携帯電話で連絡がありました。
おかげさまで、奇跡的に?合格でした。
やれやれです。

先に合格をいただいていた私学もかなり魅力的でしたので、どっちに行くかは合格してから考えようと話しておりました。
結局、本人の希望で、公立高校に行くことになりました。

私は今でも私学の方に少々未練があります。
大学受験もこちらが少し楽そうに見えましたし。
なにより、少人数で、本当に丁寧に育てていただける学校だと思いましたので。

行くことにした公立高校は、共学8クラスで、昔のバンカラな感じが残る学校です。
ダイナミックな高校生活のできる公立もいいかなと思います。

しかしこれで大学受験は自力突破しかありません。
本人は、「実力で生きる方が私に合ってる」と豪語するこわいもの知らず。
誰に似たのでしょう、ホホホ。
ちなみに、娘の「実力」は今のところ心細い限り。

いつのまにか、ママは、こわいものがいっぱいです。


*みなさま、いろいろご心配下さってありがとうございました。
 おかげさまで、我が家にも小さな春が来ました。
 娘はただ今、この世の春を謳歌中です。



[2011/03/23 21:51] 日記 | トラックバック(-) | CM(10)

荷受け 過保護 

こんにちは。
よく晴れています。
今日は昨日より少し、暖かくなりました。

昨日、引越荷物の荷受けに行ってきました。
日帰りです。

私が一人だと聞いて、両親が来てくれました。
この年になって、過保護だあ。

博多駅の新幹線ホームで待ち合わせていたけど、予定していた新幹線が雪で遅れてしまって、寒い中待たせることになったら困るなあと思っていたら、小倉駅から同じ列車に乗り込んできた両親にバッタリ。
私たち、ご縁があるのね。

借りたお部屋が、両親が想像していたよりも感じが良かったらしく、大安心の様子。
お気に召してよかったワン。

新しい部屋の周辺は住宅地です。
食べに行くところも全然知らないし、お昼ごはんどうしようなどと考えていたら、母がお弁当を作ってくれていました。

まだ何にも荷物のない、新しい畳のお部屋。
3人で、陽のあたるあたりに座って、まずはお昼です。
うふふふふ、楽しい。

いろいろなおにぎり、たまごやき、お漬けもの。
魚のミンチを丸めてお味噌で味をつけたのがとっても美味しい。
これは歯の悪い父のためのおかず。

配送を頼んでいた家具が届き始めました。
引越荷物も着きました。
さあ、お仕事です。

父が、組み立て家具作り、ブラインドの設置(どちらも私にはできない感じの大変さ、みたいでした)などなど大活躍。
母がこまごまとしたものを梱包から出しては並べてくれて、
私がおろおろとしている間に、もうほとんど生活できる感じになりました。
すごい。

最後に、洗濯機の設置の方が来られて、作業終了。

夕方になったけれど、太宰府天満宮にお参りに。
寒くなってきたせいか、人もまばらです。

過去ー現在ー未来の橋を3人で渡って、3人でまた戻ってきました。
今までの私の生活そのものだな。

太宰府天満宮は、梅が満開でした。


[2011/03/18 11:22] 日記 | トラックバック(-) | CM(10)

糸電話 

こんにちは。
今日は曇りです。
物干し場の向こうの畑に、サンシュユの花が咲いています。

テレビも、地震関連ニュースの合間に、少しずつ普通の番組が放映され始めました。
ネットには、電話が不通という見出し。
心細くお過ごしの方が大勢いらっしゃることと存じます。

ふと、糸電話のことを思い出しました。

そう、電話が使えなくて心細い時には、糸電話があります。

お互いに力加減をして引っ張っている細い糸。
お相手の姿は見えているけど、少しだけ離れています。
何にも話せなくても、「聞こえる?」って言ってみるだけでいいんです。
さっきまで聞いていたはずの声が、少しだけ違って、ジーンとふるえながら届いてきます。

声より、言葉より、気持ちの方がたくさん届く、世にも不思議な電話。

心細い時には、糸電話がおすすめです。
今あなたのそばにいる誰かと。




[2011/03/14 14:37] 日記 | トラックバック(-) | CM(4)

弱き者 

こんばんは。
今日は温かい一日でした。
東北地方や関東地方の天気予報を、我が地区のものより熱心に見てしまいます。

今日はキトリのお誕生日でした。
キトリは今日、6才になりました。

いつものごはんにイチゴを3つのせて、

キトちゃん、お祝いのご馳走ですよ。

キトリは、生まれてたった一ヶ月で、親や姉弟と離れて、一人で飛行機に乗って我が家にやって来ました。

覚えてる?
あの時から、ママがキトリのママになったんだよね。

キトリは、我が家に来るとすぐに、徳政さんのかわりに、4年生になったさくらちゃんに「おかえり」を言うお仕事をしてくれました。

この頃は、ちらっと見て、尻尾でおかえりって言うだけだけど、ちっちゃい頃は大喜びで玄関まで迎えに来てくれてましたよ。

今でも、ママが寝る前になったら、いつのまにかやってきて、床にコロっと、お腹を撫でてねっておねだりいたします。
それからね、大きな黒い目を私にむけて、何となくお話をしてくれるのです。

キトリもさくらちゃんも、ママがいないと、本当はすごく淋しいんだよね、なんて。

そんなこんなで、ママはとうとうお仕事を辞めちゃいました。
なんちゃって。
ハハハ。

4月になったら、ママはまたお仕事に出かけます。
いろいろ心配ですけれど、キトちゃんがいてくれるから、ちょっと安心しています。

キトリのおかげで、たぶんパパも運動不足にならないし、
みんな淋しくないと思います。

そう、いろんなことがキトリのおかげです。

ありがと、キトちゃん。
キトリがうちに来てくれて、本当によかったな。
キトちゃんのおかげで、みんなが幸せになりました。

キトちゃん、お誕生日おめでとう。
また明日、一緒に遊ぼうね。



[2011/03/14 00:05] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

卒業式 晴れ 

こんばんは。
テレビでは、地震・津波のニュースが続いています。
被害に遭われたみなさま、また、お近い方へのご心配がある方々に、心からのお見舞いを申し上げます。

今日は、娘の卒業式でした。
校長先生の式辞にも、東北地震へのお見舞いがありました。
学校の行事を、こうして無事迎えることが出来る幸せを、一層感じた卒業式となりました。

今日は、おかげさまでよいお天気でした。
というのも、娘の学年は、雨学年なのです。
大雨の入学式に始まって、野外活動、体育祭、修学旅行と、行事ごとに大雨。
実は小学校の時からなんですよ。
びっくりでしょう。

それで、今年は特別、下級生全員でひとつづつてるてる坊主を作ってくれたのだそうです。
おかげさまで快晴。
外の明るい光が、毎年下級生が作るステンドグラスを透して、講堂全体に届いていました。
温かい、よい卒業式でした。

「卒業生退場」の晴れやかな声と共に、子どもたちが一人ずつ、講堂の中央を歩いて来ます。
高校入試を経て、少し大人びたかと思った子どもたち。
男の子も女の子も、半泣きで、ほんとにもう、小さい子どもの顔そのもの。

卒業生154名。
あれ?校長先生の式辞もちょっとだけ涙声?
担任の先生の呼名も。

正門前の長い坂道。
いつまでも、先生やお友だち、下級生たちと写真を撮りあう楽しそうな声が続いておりました。



[2011/03/12 23:58] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

大忙し 

おはようございます。
今朝も外は雪化粧です。
きらきらして、とてもきれいです。

明日は、娘の中学校の卒業式です。
今は、今週初め、7日8日の二日間行われた公立高校の入試が終わってほっとしているところです。

自分の引越準備、入試まではあまりガサガサしたくなかったのもありましたし、正直言って、全然手につかずでした。
引越の荷出しは来週の火曜日だというのに、まだ全然です。
どうしましょう。

今日は金曜日。
来週の木曜日までの一週間は、とっても忙しくなりそうです。
たくさんの予定があります。
すっかりこんがらがって、分からなくなりそうなので、書いてみようと思います。

今日、金曜日の午後、私の両親がお祝いに来てくれることになっています。
お掃除したり、お買いものしたりもしないと。
卒業式に着てゆく予定の洋服が、入るかどうか着てみないといけません。
入らなかったらどうしましょう。

卒業式。
どの子もみんな同じように迎える、義務教育の中学校の卒業式。
それなのに、どうしてこんなに特別で、嬉しい気がするのでしょう。
不思議。

卒業式に着てゆく予定の洋服は、2年前、学位授与式に着ていったお洋服です。
母にお祝いに買ってもらいました。
紺色の、かわいいスーツなんですよ。
それがもしも入らなかったら、お着物です。
これは七五三の時に着ました。
これを着るとね、優しいお母さんになった気がするんです。

ああ、こんなこと言ってはいられません。
大忙しなんですから。

日曜日には、単身赴任のために購入しておいた電化製品が届きます。
でも、パソコンとガスコンロ、大事なものをまだ買ってない。
月曜日には、打ち直しをお願いしておいたお布団が届きます。

それよりなにより、月曜日は、娘の合否発表です。
娘は本当によく頑張りました。
難しい学校にチャレンジして、ナイスファイト!
結果はどうあれ、花丸二重丸。
こんなにいい子を授かって、神さま、心から感謝です。

昨日は就職前健康診断に行ってきました。
花粉症のあまりのひどさに、先生が「お薬飲んだ方がいいですよ。」
というわけで、昨日からお薬をいただいて、今日は少し楽になったみたい。

それにしても、今ごろになって、就職関係のいろんな書類が届くなんて、遅いよう事務職さん。
住民票ね、はいはい。
前職の在職証明なんて、いったいどこにお願いすればいいものやら。
扶養家族…なし。
年金番号?あったような気がする。どこに?

あ、そうだ、これは引越が終わってから取り組めばいいんだ。
荷入れの木曜日についでにと思ったけど、ちょっと無理かも。
そうそう、あきらめよう、ルルル。
締め切りには…きっと大丈夫。

あああー、放っておいた、同窓会の県支部案内の原稿、昨日が締め切りだ!!!

と、とりあえず、キトリのお散歩に行ってこよう。

外はすっかりいいお天気。
お洗濯ものも、よく乾きそう。

明日も晴れるといいな。






[2011/03/11 08:58] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

春の宴 

こんばんは。
一昨日、雪が降りました。
もう積もることはない春の雪が、あとからあとから。

先日、非常勤講師の先生の慰労会というのに参加してきました。
楽しそう美味しそうなお誘いは、大抵お受けすることにしております。
半期出かけただけの大学で、さして親しい方もないというのに、喜んで参加しました。

私のお隣の席は、年輩の女性で、このたびお招き下さった大学の先生でした。
来年でご退官という彼女は、先ほどまで朗らかに、他の先生と大きな声で冗談などかわされていました。
うかがえば、彼女がその大学の教員として勤めを始めたのは、ちょうど今の私と同じ年齢だそう。

あ、私と同じ。

退官する頃の自分の姿を見るような気がして、改めて先生をまじまじと見ました。
白髪まじりの髪を後ろに一つにまとめて、あまりお化粧気もない様子の方です。
先生は、琉球方言の研究者なのだそうです。

若気の至りよねえ、その当時、○○先生の『△△』っていう本を読んで(書名うかがったのに失念)、それなら私がやろうって思ったのよね。
でも当時は沖縄っていうと遠くてねえ。
兄も沖縄の生物(だったかな)の研究してましたけど、ちょっと病気になったりしても大変で。
だから両親が心配して。
ただね、私が学生の間に母が亡くなって、その2年後に父も亡くなりましたから、もう誰も私の心配する者がいなくなったんですよ。

それが、琉球方言をやりたいと言ったら、その時の先生に引き受けられないと言われちゃって。
その時になってようやく、私はそれだけの者だったって分かりましたね。
今思えば、先生はきまじめな方でしたから、知らないことを教えられないと思われたんだと思いますよ。
私は、仲宗根先生に出会えて幸せでした。

彼女が学生の頃といえば、女性の研究者なんてほとんどいない頃だったのではないかと思います。

はい。何でも私が第一号でしたよ。

当時の琉球と言えば、行くだけでも随分大変でした。
飛行機なんて贅沢は考えられませんから、鹿児島まで泊まりながら行って、そこからまた船です。
留学を決めた時も、許可がなかなか下りなくて、大阪まで留学試験を受けに行きました。

旅行なんてとんでもない。
昔のことですからねえ。
特に結婚してからが大変ですよ。
おしゅうとさんが一緒でしたから。

学会は発表するために行くもんだと夫に言われて、そういうものかと思って行きませんでした。
でも実はね、沖縄には毎年行ってたんですよ。
先生が、いたずらそうに笑います。
法事なんかの時に、ほら、昔はみんな家でやりましたから、お料理なんかすごく頑張って、点数を稼ぐんですよ。
そしたら義姉が味方になってくれて、子どもたちの面倒もみてくれてね。
一日10分でも、研究に向かうときだけが私の時間で。

人が、ひと年を経て自分の一生をふり返った時、我ながらまあよくやったなあと思える。
そういう方のお話は、自然に武勇伝になるのだと思います。
しかし、彼女の話は、決してそうしたいわゆる武勇伝ではありませんでした。
それに、お話の中心は彼女自身というより、主に仲宗根先生のことでした。

仲宗根先生は、優先順位がはっきり決まっていました。
ひめゆりのことが一番。思いが残っておられたのだと思います。
次は教え子のこと。
その次が研究でした。
それでも先生は大学者ですからね。
私なんかは学者ではなくて、教育が中心ですよ。

先生のグラスは、2杯目の焼酎です。

若い頃はお酒もいくらでも大丈夫だったんだけど、もういけません。
あなたもそろそろ気をつけなさいよ。

来年から仕事を始めるという私に、親しく話しかけてくださいます。
先生のお話は、淡々としたものでしたけれど、私はいつのまにか、息を呑んで聞き入っていました。
彼女の直面した、時代とか、境遇とか、人々の考え方とか。
武勇伝にならない、彼女自身のこれまでの話は、本当の意味での武勇伝でした。

会が果てて、明るいホテルのロビーになんとなく残っている人々が、そこここで挨拶を交わしていました。
先生は、ひとしきり私を励ましてくださってから、一人で帰って行かれました。

ガラスの外はすっかり夜。

私が、先生のように定年まで働いたとして…。
きっとなにもかも彼女の足元にも及ばない、未来の自分が見えます。

それでもまあ、少しずつ頑張るしかないよね。

それはたぶん、少しもつらくも哀しくもなくて、淡々とした道をゆくことだと思えます。
ちょうど先生のお話のように。

今宵、先生に会えてよかったと、心から思います。
先生、ありがとうございました。

世間的には優秀とは言えない学生の多いこの大学で、先生は来春、定年を迎えられます。








[2011/03/07 01:04] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

研ぐ 

こんばんは。
紅梅は、雨の日もきれいですね。

今日の午後、街に行きました。
久しぶりです。
街はきれいで、とってもキラキラ。
素敵なものがたくさんで、自然にうきうきいたします。
おっと。
今日の私の用事は、包丁を研いでもらうことなのでした。
すっかり錆びてしまった包丁を、プロの方に何とかしていただくべく、布巾にくるんでカバンにしのばせてあるのです。
目指すは、街の商店街に古くからある刃物やさん「菊菅」。
「菊菅」といえば、知る人ぞ知る老舗。
本通りの中でもひときわ明るく輝くお店でした。

娘を授かる前だったから、ずいぶん前のこと、そこで裁ちばさみを購入しました。
2階の売り場で、買ったはさみに名前を入れてもらって、一人前になった気がして嬉しかったのを覚えています。

その本通り商店街も、この頃では若者向けの、ちょっと安っぽいお店が目立つようになりました。
「菊菅」も、今では確か1階が別のお店になって、2階だけになっていたと思います。

あれ?お店が見つかりません。
無くなっちゃったのかなあ。
交通整理の人に聞いたら商店街マップを渡されました。
あった、よかった。
マップに小さくお店の名前がありました。

歩いて引き返し、何とか看板を発見。
見ると、2階でなく3階です。
喜んで階段を上がります。

ところが、上りきったところには、「刃物研ぎはこちらへ」とマジックで書かれた張り紙。
そばに手書きの地図が置かれています。
どうやらお店はここではないようです。

仕方なく階段を下りて、またまたさっきの道を戻ります。
地図が指していたのは、裏通りのもう一つ向こうの通り。
行ってみると、小さなビルです。
老舗「菊菅」は、その2階にあるようでした。

ビルの狭い入口。
そこだけが、キラキラした街とは切り離された、全くの別世界に見えます。
せっかくここまで来たのだからと自分に言い聞かせて、なんの装飾もないコンクリートの階段をおそるおそるあがって行きました。
壁には、新聞記事や何やら標語を書いたらしいヘンなビラがたくさん貼られています。
2階まで来ると目の前に、昔のお店の正面にいた、着物に前掛け赤いたすき姿の等身大の人形が置かれていました。
あ、ここだ。

入口の戸は開いています。
そろっと中に入りました。

ごめんください。

狭くて細長い部屋に、いろいろな形のハサミや爪切り、色あせた紙の箱と包丁。
誰もいないみたいです。

ごめんください。

いらっしゃいませ。

後ろで小さい声。
ひえっ、びっくりしたあ。

ふり返ると、立っていたのは、年齢が分からない感じの斜視の女性でした。

私は、「かなり錆びているんですけど」と言いながら、カバンから包丁を取り出します。
女の人は、優しげな手つきで包丁を手に取られました。

名前と電話番号を書いて下さい。

メモを一枚ちぎってこちらに。
見るとそのメモは、一万円札。
中央に「玩具銀行」と書いてあるんですけどね。
お札に字を書くことに抵抗を覚えながら、言われたとおり名字と電話番号を書き、錆びた包丁を預けて、半信半疑な気分でそこを出ました。

約束の一時間後に取りに行くと、対応してくれたのは小柄な男の人でした。
少し古びた白衣の胸に、「金属研究所」と刺繍があります。

例の一万円札が貼り付けられた広告紙の包みが、硝子ケースの上にありました。
盗み見るように見ると、私の字で書かれた電話番号の横に小さく「1000円」って書かれています。

思ったより安いなあ。
すごく高かったらどうしようって思っちゃった。
ちょっとホッとしたします。

男の人が包みを解くと、包丁は見違えるようにきれいになっておりました。

わあ、すごい。
ありがとうございました。

錆びグセがついてるからね、一ヶ年、使う度に拭いて水気を取りなさい。
ほら、このくぼみに水がつくからね。
ご主人を連れてきなさい、研ぎ方を教えてあげるから。

硝子ケースの中には、たくさんの包丁。
お店を出る時に、壁一面に花鋏みたいな形のいろんなハサミが下がっているのが目に入りました。

殺風景な階段を下りながら、何となく壁のビラの一つに目をやると、「高価なものを手に入れるより、高い技術を手に入れなさい」ですって。
何だか可笑しくなってきました。

すっかりきれいになった包丁をカバンにしのばせて、さっき来た道を、ゆっくり歩いて戻ります。

金属研究所、かあ。
鉄の匂いがするような気がしたな。
さっき見た、たくさんのハサミやら包丁やらその他のいろいろな道具たち。

鉄って、いかにもごまかしが効かなさそう。
毎日鉄と付き合っていると、人間の方もいつのまにか打たれて、飾り気もなくなってくるのでしょう。

今度、他の包丁も持って来ようかな。

本通りは相変わらずたくさんの人が歩いています。
街に少し慣れたのか、キラキラがなんとなく安っぽく見えました。





[2011/03/02 00:14] 日記 | トラックバック(-) | CM(8)
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