年越しに 

こんばんは。
夜になって、冷えてきました。
雪になるかもしれません。

いよいよ年の瀬ですね。
皆さん、年越しは、どのようなご予定でしょう。

私は毎年、夫の里で年を越します。
夫の里は、中国山地のとても雪深いところです。
毎年雪が積もっています。

里の外れの古いお宮にお参りする他には、これといった行事もありません。
雪の中、きっと昔からほとんど変わらない様子で、静かに新年を迎えます。

年が明けると、お年賀に親戚などを訪ねます。
こちらにも、お年賀のお客さまがみえます。
雪に閉ざされてしまう里での楽しみは、何と言ってもごちそうと話なのです。

驚くような話の一つや二つ、どの家にもあります。
そして誰もが話し上手です。

雪山で地震にあったときのこと。
乞食坊主が滞在のお礼に絵を残していったという話。
兎狩り。
後鳥羽院が隠岐にお渡りの折に、この家の前をお通りになった時のこと。

まるで見ていたかのように。

語り継ぐって、そういうことなのかもしれません。
話と一緒に、ずっと命も長らえてゆく。

年が明けたら、しんとした雪の中を出かけていきます。
去年も、その前も聞いた話を、今年もまた、聞くために。



今年も大変お世話になりました。
いつも、私を気にかけ、声をかけして励ましてくださったこと、本当にありがとうございました。
気がつけば、必要なときに、いつもちょうど現れて、声をかけて下さる不思議。
神様はそのようにして、皆が互いを助けるようにさせてくださっているのだろうかと思うこのごろです。

あなたに、本当の、深くて良い年が訪れますように。

雪の里から、心よりお祈り申し上げております。








[2009/12/30 01:05] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

手帳を買う 

こんばんは。
いよいよ年の瀬、お忙しくお過ごしのことと存じます。

皆さんは、どんな手帳をお使いですか。

私は、来年は、手帳をちょっと変えてみるとにしました。
秋頃から、なぜだか真っ白のページが増加。
生活が大きく変わったわけではありませんのに、手帳に現れた小さな変化です。

一生懸命考えて、毎日1ページ、自由に書ける手帳にしようと思いました。
勢い込んで、手帳売り場に行きましたが、そういうものは案外ありませんでした。

結局、ただ方眼のページがあるだけの、ぶ厚い手帳を買いました。
オリーブグリーンの表紙がきれいで、丈夫そうでした。
091225_0935~02091225_0935~01


今朝、早く起きて、買ってきた手帳をひらいてみました。
まだ何にも書いてありません。
そこで、併用予定のスケジュール帳やレフィルの、カレンダーや月間予定表などを切って貼りつけて、今年の手帳にこしらえました。

うん。我ながらきれいに貼れました。
それから、嬉しくなって、とうとう今日のページを書き始めてしまいました。

まず書いたこと。

今年の家族のクリスマスプレゼント。
サンタクロースから娘へのプレゼントも。

あれ?もう書くことがありません。
書いておくといいことって何でしょう。

そうだ。年末年始の移動予定。
書き書き。

また書くことが無くなりました。
実は私には、書くほどのことは何にもないのでした。
それでも何だか嬉しくて、何回も手帳を出してみました。

夜になって、いつも見ているブログに紹介されていた本の題名を書きました。
1ページの、一番下に書きました。

 毛利嘉孝『ストリートの思想』
 内藤礼『内藤礼<母型>』

そっか、何でも書いていいんだ。
偶然出会ったものとか、なんとなく大切な気がすることとか、ね。

手帳の、一番最後のページに、レフェルについていた年齢早見表を貼りました。

おばあちゃんとか、父や母など家族の年齢のところに線を引こうと思います。
それから、父が掘ってくれた蔵書印を押そうと思います。

大切な手帳になりそうです。



[2009/12/27 01:01] 未分類 | トラックバック(-) | CM(4)

クリスマスのごちそう 

おはようございます。
よいお天気になりました。
今日はクリスマス・イブですね。

12月初めに、いつぞやお話ししましたアドベントカレンダーを出しましたけど、それっきりクリスマスのことは忘れられていました。
ツリーとリースは、昨日ようやく飾りました。

ツリーを飾りながら、今までの毎年のクリスマスを思い出します。
行事はいつも、ずっと前のその日のことを思い出させてくれる時間の扉ですね。

息が止まるほど忙しかった毎年のクリスマスが、何重にも重なって思い出されます。
プレゼントを買いに行く、その一時間が見当たらなくて、何だかわけも分からないほど必死でした。
考える暇もゆとりもなくて、毎年この日だけは買ってきた鶏の足。
食事だけは手作りで、みんな揃ってって、意地になっていたあの頃の私も見えてきます。

今年は、大切なワイングラスが一つ、割れてしまいました。
我が家のクリスマスも、少しずつ変わっていきます。
今年のクリスマスはゆっくりです。

ふと、少し時間をかけてごちそうを作ろうと思いつきました。

思い出してみると、娘はごちそうの出て来る絵本が大好きでした。
寝る前の絵本のひととき。

歌いながら読んで聞かせた「きつねのホイティ」。
女たちは、ずるいホイティの嘘を知っているけど、それでもごちそうを食べさせてやります。

「ゼラルダと人食い鬼」。
テーブルいっぱいに並べられる、ゼラルダの手の込んだごちそうに、鬼はとうとう子どもを食べるのをやめてしまいます。
その上鬼は、ゼラルダと結婚して幸せに。

絵本の中のご馳走の、なんと不思議な力。
でも、娘が好きだったのは、そういう料理の力ではなくて、ご馳走の場面そのものでした。

私は絵本のとおりにごちそうのメニューを読みあげていきます。
その間、隣で黙って聞いている娘から伝わってくる、嬉しくて楽しい気持ち。
なんだか笑いたくなる思い出です。

小さかった娘ももう中学2年生。
今年はサンタクロースは来ないかも知れません。

それでも、このクリスマスの間中、温かい気持ちでいられるように、

今年は、少し時間をかけて、ごちそうを作ろうと思います。



[2009/12/24 10:03] 日記 | トラックバック(-) | CM(8)

本を借りる 

こんばんは
また雪の夜になりそうです。

この頃、時折、市立図書館で本を借りるようになりました。
研究のための本ではなくて、楽しみのために読む本です。

市立図書館では、希望の図書を最寄りの図書館で借りることが出来ます。
私の家から一番近い市立図書館は、まんが図書館の分館です。

まんが図書館の分館は、駅前の、バルコニーのある小さい建物の2階にあります。
ゆるやかならせん階段を登った先の、小さな図書館です。

扉を開けると、全体が見渡せてしまいます。
駐車場もなくて、開館は5時まで。
いろんな案内に、全部ふりがながふってあります。
ちいさい人たちの居場所です。

簡単な書架には、まんがばかりがぎっしり並んでいます。
その中に、子どもの頃夢中で読んだまんがが、まとまって並んでいるのを見つけて、ちょっと甘酸っぱい気持ちになります。

カウンターで、予約しておいた本を受け取りました。
鷲田清一『京都の平熱』。
最近親しくなった友人のお薦めの本です。

それから、ちょっと目についたまんがもついでに。
芳崎せいむ『金魚屋古書店 上』

貸出期間は2週間。

部屋に無造作に置かれた図書館の本が、
ただ流れていくだけの私の時間を区切っています。

子どもの頃、柱時計の音が、古い家の動かない日常を区切っていたように、

音のない、柱時計めいて。




[2009/12/21 19:19] 日記 | トラックバック(-) | CM(4)

雪が降った 

こんばんは
今日は雪が降りました。

雪がやんで、晴れ間が覗いてから、
キトリとお散歩に出かけました。

雪が残って白い地面に来ると、キトリはもう大はしゃぎ。
嬉しい時にいつもするように、ものすごい勢いで走り回ります。

雪が降って、嬉しい。
雪が降って、嬉しい。
雪が降って、嬉しい。

時々、あたりの、真っ白くて、冷たい雪を口に入れています。

冷たい?
おいしい?

雪が降ったね、キトリ。

雪が降って、嬉しいね。


[2009/12/18 20:43] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

木守り 

おはようございます。
少しずつ明るくなる朝の中を、キトリと一緒にお散歩してきました。
今日も一日が始まります。

金曜日、母がこちらに来ましたので、会いました。
一ヶ月か二ヶ月に1回、お茶のおけいこに来るのです。
たいてい日帰りです。

お迎えの時間が少し早かったので、先生がお声をかけて下さって、久しぶりにお茶席に入りました。
柿の形のお菓子をいただきます。
ところどころ間違えながら進むお手前を拝見しながら、
だんだん、
しんとして集中している、おけいこの時の気持ちを思いだしました。

おいしいお薄。
お菓子は木守りという名前でした。

そのあと二人でデパートへ。
母と話していると私はいつも元気になります。
はしゃいでいろいろ話します。
「クリスマスプレゼントに、欲しいものを買ってあげましょう」ということで、上等なパジャマを買ってもらってしまいました。
娘には室内用の暖かい靴下、夫にはおいしいお酒。
(決して物を買ってもらえるから元気になるわけではありませんよ。)

あっという間に時間が過ぎて、駅へと送って行きます。
その間もずっとおしゃべり。
別れが近くなって、少し娘の自慢をします。
デパートの前の大通り。

あの子、きっとひとかどの人になると思うの。

街の喧騒に負けないように、少し大きな声で言いました。

信号が青になりました。
母がちょっとだけ笑ってから、やっぱり少し大きい声で言いました。

私もあなたのこと、すごくそう思って育てた。

二人とも、路面電車の線路につまずかないように注意しながら、長い横断歩道を渡っていました。

ゴメンね。
平凡な人になっちゃった。


またね。
駅前で、手を振って別れます。
母のコートの後ろ姿が、しゃきっとかっこよくて、ちょっと驚きます。

おみやげに魚とカニをもらいました。
母は、朝から父の食事を作った上に、カニを茹でてきてくれたのでした。

親孝行するのには十分すぎる年齢なのに、私の方がしてもらってばっかり。
それを思うと、別れてからの車の中で、少々せつなくなりました。
でも、やっぱり、
とっても幸せな帰り道なのでした。(ははは、情けない。)



[2009/12/13 08:32] 家族 | トラックバック(-) | CM(6)

柿 

こんばんは。
冬の月がきれいです。
この頃の楽しみの一つは、ヨーグルトに熟柿をのせていただくこと。
冷たくて、きれいで、おいしいです。

スーパーで柿を見かけると、ちょっとだけ、びっくりしてしまいます。
いろいろなくだものがあるけれど、不思議と柿だけは、買ってくるものではないと思っているようです。

食卓の上、黒い一閑張の籠の中の柿。

今年は柿がようけなって。

一昨年亡くなった、おばあちゃんの声。

叔父が小さい頃、柿の枝から落ちた時の笑い話とか、柿と一緒に送られてきた荷物とか。

柿の木の向こうは畑。



[2009/12/04 22:09] 日記 | トラックバック(-) | CM(8)

お昼寝 

こんにちは
あんまり気持ちがいいので、ちょっとお昼寝してしまいました。

寝ているはずなのに、頭の中で、

やっぱり2階は気持ちいいなあ。
外も見えるし、風も吹いてて。
ああ、気持ちがいい。

なんて考えたりしています。
そう思っていたら、ピンポーンって鳴りました。

また頭の中で、誰かなーって思います。

えっ、あっ。誰か来た。
あわてて起きてみたら、そこは1階のおこたなのでした。

玄関には、赤いバイクの郵便屋さん。
昨日注文したばかりの古本が、もう届きました。
他にも、東京の古本屋さんの薄い冊子。
「歳末号*豪華天然色特輯頁入」って書かれてて、カラーの表紙は大正風の絵になっています。
その古本屋さんの住所、「そらの下」ってかかれてるんですよね。
へんなの。
あとは、洋服屋さんの展示会のご案内。

それにしても、私の家、1階も2階も気持ちいいんだなって再認識。

幸せすぎて、
何のつらい仕事もなくて、また眠くなります。


[2009/12/02 14:39] 日記 | トラックバック(-) | CM(6)

永訣の朝 

こんばんは。
今日は、11月の最後の日でした。
ニシムクサムライ。

非常勤の授業日なのに、なんの準備もしないまま朝を迎えてしまいました。
今日は、宮沢賢治の「永訣の朝」の授業だからと、話してあります。
こまったなー。
追い詰められて、古い、自分のノートを探しました。

あった。
ルーズリーフに3枚。
見ると、詩の本文のコピーが貼られていて、昔の私の字で、丁寧な授業計画が書き込まれています。
セーフ。
そのルーズリーフをカバンに投げ込んで、急いで家を出ました。

信号を待つ間、そのルーズリーフを出して、とにかく詩を読むことにしました。
車の中なので、誰にも聞こえませんから、大きな声で、読みました。
どんな詩だったか、思い出そうとして、ただ読んでいました。

   あめゆじゅとてちてけんじゃ

ただ読んでいるだけなのに、
あれ?
あきれたことに、私の声が泣いています。

青いじゅんさい模様の茶碗の中の、白くて透明なみぞれ雪。

信号がかわって、私は車を発進し、右折のための車線変更をします。

信号待ち。
続きを読みます。

   Ora Orade Shitori egumo

いかにも東北なまり風に読む自分をクスッと笑いながら、泣けてきて、泣けてきて。

高校までは、車でたった10分ほど。
泣きながら、正門を入ってゆく私。
あやしうこそものぐるほしけれ。

授業は、3階の教室。
何食わぬ顔で授業を始めました。

えー、先生、泣いてるー。
詩を読んで泣く先生って、初めて見たー。

そう?よくある話だと思うよ。(なんてね)

どうやら、声を出して読むのはまずいらしいです。




 永訣の朝
                     宮沢賢治

けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
うすあかくいっさう陰惨な雲から
みぞれはびちょびちょふってくる
(あめゆじゅとてちてけんじゃ)
青い蓴菜のもやうのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがったてっぽうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
   (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
蒼鉛いろの暗い雲から
みぞれはびちょびちょ沈んでくる
ああとし子
死ぬといふいまごろになって
わたくしをいっしゃうあかるくするために
こんなさっぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ
ありがたうわたくしのけなげないもうとよ
わたくしもまっすぐにすすんでいくから
   (あめゆじゅとてちてけんじゃ)
はげしいはげしい熱やあえぎのあひだから
おまへはわたくしにたのんだのだ
 銀河や太陽、気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを……
…ふたきれのみかげせきざいに
みぞれはさびしくたまってゐる
わたくしはそのうへにあぶなくたち
雪と水とのまっしろな二相系をたもち
すきとほるつめたい雫にみちた
このつややかな松のえだから
わたくしのやさしいいもうとの
さいごのたべものをもらっていかう
わたしたちがいっしょにそだってきたあひだ
みなれたちゃわんのこの藍のもやうにも
もうけふおまへはわかれてしまふ
(Ora Orade Shitori egumo)
ほんたうにけふおまへはわかれてしまふ
あああのとざされた病室の
くらいびゃうぶやかやのなかに
やさしくあをじろく燃えてゐる
わたくしのけなげないもうとよ
この雪はどこをえらばうにも
あんまりどこもまっしろなのだ
あんなおそろしいみだれたそらから
このうつくしい雪がきたのだ
   (うまれでくるたて
    こんどはこたにわりやのごとばかりで
    くるしまなあよにうまれてくる)
おまへがたべるこのふたわんのゆきに
わたくしはいまこころからいのる
どうかこれが天上のアイスクリームになって
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ

[2009/12/01 00:10] 教育 | トラックバック(-) | CM(2)