アドベントカレンダー 

おはようございます。
今日でもう11月が終わりです。
桜の葉がおおかた散って、向こうの畑の菊の花色が見えています。

昨夜、ふと思いついて、4、5年前に娘と折り紙で作ったアドベントカレンダーを出してみました。
クリスマスまで一日ずつのカレンダーです。
12月1日から一日ずつ、めくっていったり扉を開けていったりいたします。

娘と作ったのは扉のスタイル。
手間をかけて豪華に作ったと思ってたのに、出してみると案外あっさりしたものでした。

25の折り紙の扉が、ツリーの形に薄いグリーンの台紙に貼られています。
扉には、ハート型の赤い折り紙に、1から25までの数字。
扉を開くと中にポケットがついてて、そこに絵を描いて入れたり、写真をいれたりするようになっているのです。
開けて中を見たいけど、一日一つずつしか開けてはいけないカレンダーです。

今、娘は学校に行って家にいません。
お母さんの私は、こっそり開けてみることにしました。

1日は、きれいな花束の写真。
2日は、おみやげを持ったサンタさんの絵。
3日 折り紙の手裏剣
4日 ちょっとよくわからないお人形か何かの絵とシール
5日 広告のゴルフクラブの写真の切り抜き。パパの欲しいものなのでしょう。
6日 折り紙のあさがお
ケーキの絵、ツリーの絵、パパとママと自分の絵、携帯電話の広告の切り抜き、トナカイの絵、キャンドル、リボン…。

24日の扉は銀の折り紙で作ってあります。
開けると、紙の姉さん人形。黄色い着物に赤い帯をしています。
そういえば娘が3才の頃、おばあちゃまとよく作っていました。

一番上の25日は金の扉。
「メリークリスマス」
一字ずつマジックの色を変えて書いてありました。

アドベントカレンダーは、大学がミッションスクールだったので、いろいろ教えていただいたクリスマスの楽しみの中の一つです。
当時は今ほど世の中がクリスマスで騒がない時代でしたから、
下宿での一人暮らしには、何となくささやかな楽しみでした。

昨夜、この大きなカレンダーを広げて娘と一緒に見ました。
「これ、また貼ろうか」って言うと、娘は新しく作りたいと言っていました。
もう間に合わないと思います。

今年はこの幼いアドベントカレンダーを貼ることにしました。




[2007/11/30 10:12] 日記 | TB(0) | CM(0)

二人 

こんばんは
そういえば、今日は一日暖かでした。

両親と県立美術館へ行きました。
展示室は3階です。
大きなガラスの壁を通して、隣の庭園が見えています。

絵は、若いころ描かれたものから順に並んでいました。
私は、さっきかかってきた電話のことで、頭がいっぱいでした。
つまらない雑用でしたから、忘れたいのに、気がつくといろいろ考えてしまっています。

彼が見つけた絵のテーマが、壮大だけど月並みな感じがしました。
なぜ、これをテーマにしたの?
それ、嘘だと思う。

いらいらしながら絵を見ました。
絵には時折、彼が見ていないはずのものが描かれていました。
あって欲しいと思うけれど、本当は無いもの。
そんなもの、描かなくてもいいのに。

廃墟。
夜の回廊。

次第に、絵が勢いを増してきました。
現実と想像が絵の中に両方描かれています。
そこにはもう願いは無くて、ただ、彼の目に映っている現実と想像のように思えてきました。

絵の勢いは、ますます増して行くように思われました。
彼がその絵を描いた年は、父の年を越えていました。

喫茶室で向かい合った父は、見慣れぬ薄茶のネクタイをしていました。
父は、ついこの間、会合の日を忘れてしまった大失敗の話をしました。
昨夜会った人の話や、会議の話題について面白く聞かせてくれました。

喫茶室からも、ガラス越しに、庭園が見えていました。
家族で何度も来たことがある庭でした。

母が選んだ父の新しいネクタイ。
生活の中にあっても、自分が大事にしていることだけに気持ちが向かって、
次第に精神が勢いを増して行くのだと思いました。

父と母はならんで座って、同じようにケーキをフォークで切っては食べています。
広い庭と美術館がつくる世界の中に、父と母、二人しかいないように見えました。




[2007/11/28 23:37] 未分類 | TB(0) | CM(2)

桑の木 

こんばんは
このごろは日暮れが早くて、毎日取り残されたような気分になります。

昨日、来年の実を楽しみにしていた桑の木が、根元からばっさり切られているのに気がづきました。
私は、桑の木があった場所にしばらく立っていました。

「これが桑の木」
私は、その名前を教えてくれた人のことを思い出していました。
ずっと以前、彼女が指さしたのは、離れたところにある別の桑の木でした。

だんだん寒くなってきましたね。
お元気でお過ごしでしょうか。

私はここに来るたびに、彼女のことを思い出していました。
これから私は、いつ彼女を思い出すことになるのでしょう。

そう、あの桑の木は、確かに私と彼女をつなぐアンテナでした。

こんなにも誰かとつながっていたいと思っているのに、
何か、目に見える物を通してしか、人とつながっていられない。

ただ明るくなったその場所には、まだ青い葉がたくさん落ちておりました。



[2007/11/28 21:41] 日記 | TB(0) | CM(0)

指輪 

こんばんは
小春日和の一日、いかがお過ごしでしたでしょうか。

私の家の辺りから市街地に抜ける長いトンネルがあります。
昨日、久し振りにその道を通りました。
以前は毎日通っていた、慣れた道です。

料金所で、300円を渡すと、引き替えに小さな領収書が渡されます。
その指に、ビーズで作った大きな指輪。

彼女はいつも、大きめのビーズ細工の指輪をしていました。
きれいな指輪です。

ご自分で作られるのでしょうか。
淡い色の組み合わせのもの、
銀の入ったの。

料金所は、お金を受け取って、領収書を渡すだけの仕事です。
無表情に過ぎてゆく無数の運転者。
私もその中の一人として、いつも無言で通り過ぎていました。

たくさんの人が過ぎてゆくこと。
誰もができるだけ早く立ち去ろうとする。
機械が取って代わっている料金所の仕事。
話なんかとてもできないし、必要ない。
それでも、やっぱり機械より人がいてくれることが嬉しい気がしていました。

あなたに見せようと思って、指輪をしてきたの。
きれい。
そう?ありがとう。
こちらこそ、見せてくれてありがとう。

仕事って、そういうことだなあっていつも思っていました。
その仕事の中でできること。
この仕事だからこそできること。
仕事という位置から、語りかけていくこと。

この人は、仕事をしているなあって。
あのころ私は、彼女の指輪に、本当に励まされていました。

昨日は、紅いビーズで作った指輪でした。
毎日通っていたときは、何も言わなかったけれど、思い切って言いました。
「指輪きれいですね。」
「ありがとうございます。いつも言われるんですよ。」

彼女の指輪を喜んでいたの、私だけじゃなかった。
ちゃんと声をかけて行く人たちがいてくれた。

なんだかうれしくなって、つめたい風の中を、窓を開けたまま走ってゆきました。



[2007/11/24 21:06] 未分類 | TB(0) | CM(5)

遠く 

こんばんは
冷えてきました。

こんな夜は、ふと、遠くに住む友人のことを思います。
あのあたり、今夜はきっと寒いでしょう。
雪が降っているかもしれません。

いつか、冬が好きだって言っていました。
強がりのようにも、本当のようにも聞こえました。

今頃、こたつに入って古い映画を見ているかも知れません。
そのうちうたたねをする。

毎日、眠りに入る直前の、その境目だけが、自分に戻る時間のような気がして、
その瞬間が、できるだけ長く続くように、
眠くて、眠くて、眠らないで、眠らないで。

今夜、雪が降っているかも知れない遠いところ。


[2007/11/19 23:24] 未分類 | TB(0) | CM(3)

結婚記念日 

こんばんは
ちょっと早いですけれど、ストーブを出しました。

昨日は結婚記念日でした。

結婚してすぐに住んだ家は、川の近くにありました。
土手の堤防の上の道をずっと自転車で下って仕事に行きました。
河口に近い広々した景色と、中州の鳥たちと、朝の風を思い出します。

夕方もその道を帰りました。
結婚して一番よかったのは、この道を通えるようになったことだなあって思ったのを覚えています。

あれからずいぶん時間がたちました。
結婚記念日なんて忘れてることの方が多いような長い時間でした。

今年初めてケーキを買ってきました。
果物がのった生クリームのケーキが、なんだかすごくおいしくて、
結婚してよかったなあって思いました。



[2007/11/19 18:08] 日記 | TB(0) | CM(5)

おばあさんは柴かりに 

こんばんは
今日は、ひねもす小春日和でした。

お花で野いばらを活けました。
活けながら、春に見た、たくさん野いばらが咲いていた場所を思いました。

キトリと一緒にそこまで歩いていきました。

春、そこは真っ白い野いばらの花にあふれていたから、
今度は赤い実でいっぱいだろうと想像していたのですけれど、
行ってみると、野いばらの赤い実は、隠れがちに、あちこちのぞいているのでした。

高い木は少なくて、草やつるの多いところです。
ススキがすっかり花を咲かせています。
キトリは勝手にあっちこっち行っては帰ってきています。

小さい実をつけたきれいなつる。
これは採って帰ってリースを作るとよさそうです。
木の枝が、足もとに時々落ちています。
だんだん愉快になってきました。
「おばあさんは柴かりに」って言いながら、きょろきょろ歩き回りました。

いつもは何とも思わないで通り過ぎる、どこにでもある笹竹の薮。
うわあ、きれい。
細っこい竹が、みんな幅の広い皮をつけています。
足もとにもいっぱい、きれいな竹の皮が落ちています。

「おばあさんは柴かりに」って、節をつけて歌いながら、
竹の皮を一枚ずつ竹からそっとはがして、袋に入れていきました。
10枚くらい取ったかなあ。
明日の娘のお弁当は、おにぎりに決定。
一個ずつ、この皮で包んで持たせましょう。
ちまきもいいかも。

どのくらい時間がたったのか、全然わからなくなりました。
なんだか長い時間ここにいたような感じがします。
私はもう、本当はおばあさんになっているのでした。

明日お弁当がいるはずの娘は、とうに大人になっていて、
子育てに追われています。

気がつくと私は、思っていたよりずいぶん明るい夕方の陽ざしの中に、
一人で立っているのでした。


[2007/11/17 18:38] 日記 | TB(0) | CM(2)

柿 

こんばんは
名前も知らない小さな菊が、あちらこちらに咲いています。
小さい花の咲いているあたりが、はっとするほど明るく思われます。

母が来て、お茶にでかけてゆきました。
大島に、今の季節に良く合う明るいけど渋い色の茶色の帯。
それに今春亡くなった祖母の羽織をはおってゆきました。

母には、今のこの季節が、こういう風に見えているんだなあって、
そのいかにも古い茶の帯を見て思いました。

「おばあちゃんがいなくなって、今年は柿が届かないなあって思ってたら、
この間、お隣の男の子が持ってきてくれたの。
おばあちゃんが届けてくれたんだと思う。」

老いた自分を受け入れること。
羽織の暖かさを感じながら、母親の歩いた道を歩くこと。

ちょっとしみじみしながら、母の着物姿を見送りました。

午後になって、私も、ご近所から柿をたくさんいただきました。


[2007/11/14 18:45] 家族 | TB(0) | CM(0)

小さなコンサート 

こんばんは
夕方、街に出ている時、ほんの少しだけ雨が降りました。

バイオリンの小さなコンサートがありました。

会場は、天井の低い、ガラス張りのホテルのカフェです。
中央に据え付けの大きなグランドピアノがあります。

穏やかな笑顔が印象的なバイオリンの若者。
滝廉太郎のような風貌の伴奏者の若者。

聴衆は26人でした。

あっという間に、その空間は、息をのむような、解き放たれるような場所へと変わってゆきました。

速いテンポのチャルダッシュの間も、
そして甘くて深いシューベルトの間も、
私の中で、昔のいろんなことが頭に浮かんでは消えていきました。

その小さなコンサートは、短い間の小さな出来事でした。

消えて跡形もない音楽。

今朝と何一つ変わらない。
果てのない介護生活、子ども達のこと、枯れてしまった盆栽、仕事。

塗り替えられた26人の聴衆。




[2007/11/11 21:37] 日記 | TB(0) | CM(8)

カップでお茶を 

こんばんは
今日もこの辺りでは、乾いた音を立てて木の実が降っています。

このごろ、あまり使わなくなった娘の水筒にお茶を入れてでかけています。
プラスチックのきれいなピンク色の水筒です。
保温機能もついていません。
小さな水筒です。

ふたを取ってひっくり返し、中ぶたを取って、お茶を注ぎます。
ふたには取っ手がついていて、よく見るとちゃんとしたカップの形をしています。
気がつかなかったなあ。
だとすると、私はこれから、水筒のふたを便利に使ってお茶を飲むのではありません。
ちゃんとしたカップで、お茶を飲むのです。

急に私が、とても高貴な人のような気がしました。
今はこんながさがさした所にいるけど、どんな時も、決していいかげんなものでお茶を飲んだりしない、そういう私。
うきうきしてきました。
私は、そのカップで、気取ってお茶を飲みました。

プラスチックの、ピンクのカップ。

高価でも何でもないこの小さなカップのおかげで、
私は、お茶を飲むあいだのほんのひととき、高貴な人になりました。

大切な私。

私を大切にするということ。



[2007/11/10 20:16] 日記 | TB(0) | CM(4)

スピード違反 

こんばんは
立冬を過ぎました。
よく晴れていても、どこか静かな毎日です。

一昨日、スピード違反で捕まりました。
ごく自然な感じで、私の車の前に出てきた警察官に、神社への参道に招き入れられました。
自覚がなかった私。
「どうして?」

23㌔オーバーだそうです。
にこにこして、さわやかな感じの警察官です。
きれいな色の落ち葉が散ってほんのりと明るい場所でした。
そこには、私の他にもたくさん同じような人がいました。

「免許証お持ちですか」
「はい」
「お電話番号は」
なんだか、遊園地のおとぎの国巡りみたいに、なにもかも用意されていて、次々よどみなく進みます。
レシートのような紙に、印鑑を押して、
15000円と書かれた白い紙と、
彼のユニホームと同じ青い色の薄い紙を渡されて、
車に戻りました。

狐に化かされているのかもしれません。
私が狐なら、なかなか愉快ないたづらですもの。

あー、でも、これで安心。
怪我もしないし、悲しいこともないし。
15000円なら、安いとしなきゃ。
このあいだから、できないと思っていたいろいろが次々うまくいって、ちょっと怖いような気がしてたから。

すごくにこにこしながら、青い服の彼らに見送られて、神社の参道から大通りへと車を出したのでした。


[2007/11/09 20:03] 日記 | TB(0) | CM(0)

とんぼ玉 

こんばんは
今日はいいお天気でした。
ずいぶん前から、キトリのお散歩道には、木の実がいっぱい落ちています。
いろんな形の木の実です。
今日もまだまだいろんな木の実が落ちてきています。

今日、だあれもいないお昼間、二階にあがってみると、
畳の部屋の真ん中に、あれ、ドングリ?

近寄ってみると、とんぼ玉でした。
黄色い陶のとんぼ玉です。
電気の紐の先につけていた、その紐が切れて、落ちてしまったようでした。

広い畳の真ん中に、まるで木の実が落ちるように、
誰も知らない間に落ちたのでしょう。

あとでつけようと思って、たんすの上に置いてあります。


[2007/11/07 22:14] 日記 | TB(0) | CM(0)

動物園 

お久しぶりです。
お元気でいらっしゃいましたか。
私もなんとか元気でいます。
すっかり夜が深くなりましたね。

旅先で、あたふたと準備した発表を何とか無事終えてみると、
広々した大学のキャンパスの紅葉がとてもきれいなことに気がつきました。
そうなると、午後の日程に出席する気もすっかり失せてしまって、
ほど近いところにある動物園に行くことにしました。
何ヶ月か前に結婚したばかりの年若い同級生とその夫君と一緒です。

動物園は、住宅地の細い道をくねくねと行った先にありました。
おとぎの国の入り口ほどの小さいアーチの向こうが、動物園なのでした。

アーチを入ってすぐのところに象が一頭いました。
彼女は、鼻を塀の上にのせています。
ずいぶん前、学生時代の井の頭公園にも、一頭だけ象がいました。
象舎の屋根に雨がしとしと降っていました。

右手は「ふれあいひろば」です。
狭い囲いの中に、にわとり、うさぎ、モルモット、ヤギさん、ぶたさん。
ひよこの周りに園児が集まっています。
その中に長い時間ひよこのところにいて動こうとしない幼い娘が混じっているような気がして、私はしばらくその囲いの中にいました。

アメリカヒグマ。
絵本の中のクマのように、黒くて大きくてずんぐり。
トラがそれぞれの檻に分かれて二頭。

ライオン キツネザル 
猿山の前の、野球帽の弟と私の写真。

頭上にレールが通っていて、その上を二人乗りの乗り物がゆっくり進んでいきます。

狭い園は山に沿って作られていて、故郷の裏山に似た山のあちこちに、ごくあたりまえな感じで、動物たちが暮らしています。

アメリカバイソン フタコブラクダ バク

彼らはやけに生活者めいていて、近所の農家の動物といった風情です。

「園長の家」と書かれた洋館のそばにはフラミンゴがたくさんいました。
紅い鳥たちの鋭い声が、絶えず聞こえています。
古い茅葺きの民家が移築されています。
中には、足踏み式ミシン、鴨居の槍 武者人形。

一緒に歩いている新婚夫婦の奥さんは、夫に自分の幼い頃の話や故郷の話を聞かせています。
それもまたいつかの自分。

マゼランペンギン きりん

娘の乳母車を押す夫が、らくだの前をゆっくり過ぎてゆきます。

動物園の午後、懐かしい時間の哀しみ。



[2007/11/06 20:54] 日記 | TB(0) | CM(4)