贈りもの この先のある日に
こんにちは。
いいお天気の午後です。
空の端っこに、綿の切れ端のような、すうっと薄い雲が見えています。

この秋の初めに、お布団を打ち直しに出しました。
ベビー布団一式とジュニア布団一式。
作ってくださったお布団屋さん自慢の、上等な綿のお布団です。
その綿を合わせて、大人サイズのお布団を作っていただきました。

先日、そのお布団屋さんから、思いがけない贈りものがありました。
ベビー布団と、ジュニア布団の側の生地です。

あんまり傷んでいませんでしたから。
今度はこの布でお孫さんのお布団ができますよ。

ふふふ、そんな先のことなんて。

生地はきれいにアイロンをあてて、丈夫な茶色の紙で包んでありました。

時折、その紙包みをそっと開きます。

ミッフィーちゃんたちが正面を向いて並んでいる黄色い布。
ピンクの布には、買い物籠を持った、何やら忙しそうなウサギさんたち。

我が家に、小さい小さい赤ちゃんのいた日々。
いつ来るのか、本当に来るのか分からない、ずっと先のある日。

時間が、つながっているということ。



11/04. 16:15 [ 家事 ] CM1. TB0 . TOP ▲
旅日記 松山 本当のこと
こんばんは
今夜は十三夜でした。
それに気がついて、夕方見た月を思い出したりしています。

もう二週間も前になりますが、松山に行きました。
松山では、電車が、次から次に来て、さほど待たずに乗れます。
道後の子規記念博物館に行きました。

終点の広場では、大勢の人が、からくり時計が動くのを待っていました。
腕時計を見ると、11時の5分前。
旅行に来て、自由に時間を過ごせる人たちだったのでしょう。
私も、通りの反対側に立ちどまりました。

ずっと前、学生時代に、母と銀座のどこかのからくり時計を、立ち止まって見たことがあります。
その時母は、時計が開くのを待っているたくさんの人たちを見て、「都会の人は時間があるのね」と言いました。
ん?都会の人は忙しいものなのではないかしらん。
その時以来、私は、都会の人が忙しいかどうか、分からずにいます。

母は今でも、私が東京の大学に行ったことを嬉しそうに話します。
成績がよかったとか、しっかりした子だったからとか、そういう風に。
でもね、私は最近になって、母が都会に憧れた女の子の一人だったということに気がつきました。
母は、入学の時と、卒業の時しか東京に来ませんでした。

そうそう、子規記念博物館。
一人でしたし、ゆっくり見て回りました。
博物館の解説によると、子規が勤めた「日本新聞」は、政党に偏らず、本当のことを言おうとした新聞だったのだそうです。

本当のこと。

本当のことを言うのは、今では難しいのではないかと思います。
当時も難しかったと思います。
だって、全体を見回して中間値を採るというのとは違いますし、隠された本音を暴くというのとも違いますし。

子規にとって、「日本新聞」の仕事は、本当のことを言うことだったのかもしれません。

従軍記者。
古い歌や句の膨大な資料整理の作業。

墓碑銘
「日本新聞社員月給四十円」



三人にちょうどよき家十三夜     ここ





10/31. 00:47 [ 旅日記 ] CM2. . TOP ▲
繰り返し
こんばんは
今日の夕焼けは、薄紅をすうっと刷毛でひいたような、そういう夕焼けでした。

娘がピアノの練習を始めました。
練習の初めはいつもハノンです。

ハノンは指と音の練習です。
単純な繰り返しを、2オクターブ上がって、そして同じように下りてきます。

曲想も組み立てもない、機械的で変化のない繰り返し。

ハノンは、優しい曲です。







10/24. 21:11 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
思い出の虫干し
こんにちは。
今日もまたいいお天気です。

思いついて、娘が赤ちゃんの時のものの整理を始めました。
ごくごく小さい頃のものは、だいぶん人様に差し上げたりいたしましたので、もう、手作りのものや記念のものが残っているくらいです。

退院の時の白いドレス。
白いくつしたと、帽子も。
ドレス、せっかく作ったのに、少々きつくて、その上退院の日は雪。
上にいろいろ着せたので、少しも見えませんでした。

冬の子でしたから、毛糸のものがたくさん。
おばあちゃまに編んでもらったベスト、フード付きのカーデガン、ジャンパースカート。
みんなみんな、小さくて、ふわふわです。

初めてのゆかたはキティーちゃんの模様でした。
手をつないで、お祭りや盆踊りにいきました。
水着は黄色で耳つきの帽子とお揃いです。
ヨーロッパのおみやげのちょっと生意気なコートとベスト。

大きな四角い風呂敷包みが出てきたので、何かなと思ったら、何とおしめでした。
おむつカバーもたくさん。
最近ではもう、こんなものを使う方も無いでしょう。

私たち新米の両親と、今よりちょっと若かった、おじいちゃまとおばあちゃまの、
心意気の箱詰めです。

今日一日、秋のやさしい陽に当てて、また元に戻そうと思います。




追伸:
少し大きくなってからのものが、まだまだあります。
もし着てくださる方があれば、とても嬉しく存じます。
どうぞご連絡下さいませ。
のんびりしているうちに、私が知っている子どもたちは、みんなすっかり大きくなってしまいました。




10/23. 11:58 [ 日記 ] CM4. . TOP ▲
紙人形
こんにちは
秋晴れです。
本当に雲一つありません。

先週末、松山に行ってきました。
子規記念博物館で、子規が描いた絵の絵はがきを幾葉か買い求めました。

一人旅は、いろいろな人のことを思い出しながら歩く旅です。
道後の商店街の中にある、ちょっと懐かしい感じのお店で、
ランチをいただきながら、買ったばかりの絵はがきを書きました。

両親宛の葉書は、紙の姉さま人形の絵の葉書にしました。
娘のさくらを母に預けると、よく紙のお人形を作って、二人で楽しそうに遊んでいました。
母は、お人形が好きなのだと思います。

今朝、母からメールでお返事。


「紙人形

 おはがき有難う
 幼い頃に折り紙で良く遊びました。
 何と懐かしいこと。
 そういえば、丁度今時分、田んぼの畔に茣蓙を敷いて遊んだり、絵本を沢山読んだりもして、
 母の一休みの時を楽しみに待ってたようにも思います。
 …                                  」


紙人形。
母親を待つ幸せな時間の記憶。



10/22. 14:30 [ 旅日記 ] CM2. . TOP ▲
幸せの黄色いハンカチ
こんにちは
秋の午後、いかがお過ごしですか。

2004年、新潟中越地震を覚えていますか。
私は、すっかり忘れていました。

先日、お昼にぼんやりテレビを観ていましたら、
5年前の新潟中越地震の被害地、川口町が出ていました。

今、川口町のいたるところに、黄色いハンカチが飾られているのだそうです。
地震の時の援助に、感謝の気持ちを伝えるハンカチなのだそうです。

画面の中では、黄色いハンカチが、保育園にも、小学校にも、個人の家にも、役所にも、たくさんはためいていました。

地震は、川口町の人々にとっては、つらいことがあったり、生活が変わったり、つらい思い出のはずです。
今でも恨めしく思っていても、仕方ないはずなのに。
もう忘れたいことかもしれないのに。

それでも、感謝の気持ちを伝えようって思えること。
うまく伝わるように、分かるように、黄色いハンカチにして。

あの時何にもしなかった自分が切なくて、
それなのに温かくて、何だか励まされたような感じがして、胸がいっぱいになりました。

黄色いハンカチ。
幸せの作り方。




10/20. 15:16 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
晩秋
こんばんは
このたびの連休、いいお天気でしたね。
いかがお過ごしでしたでしょうか。

夫と娘が二人でウッドデッキを塗り替えてくれました。

色は、娘のアイデアで、白になりました。
アイボリーホワイトという柔らかい白です。

ちょっとだけ違う家みたいになりました。
家の中も少し明るく感じます。

塗り替えたばかりの小さなスペースに、晩秋のやわらかい陽があたっています。





10/12. 18:35 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
漢字ゲームに勝利する
こんにちは
お昼を過ぎて、ようやく少し温かくなってきました。
朝、寒かったよ。

すごく地味に、ミクシーをやっています。
その中に、このごろアプリというのが出来ました。
何だか分からなし、興味もないので、知らん顔していました。
そのアプリとやらのせいで、自分の日記欄が見えなくなって、不便だなと少々不満です。

数少ないミクシのお友達が、漢字脳力大学というのをやっているようでした。
「まきさんが、自己最高得点をマークしました  26点」
という具合に小さく画面に出ています。

漢字っていうのは、やっぱりゲーム感覚で覚えるようなものでもあるなあ、
などと、去年まで研究していた人の、大正時代の記述を思い出しました。

私は、国語を教えていたし、言葉を使うことが本業です。
漢字ゲームに参加して高得点を上げるのは、いかにも大人げないので、参加したりはいたしません。

ところが先日、あれこれ見ているうちに、漢字脳力大学のページが始まってしまいました。
ついでにやってみることにしました。
ごめんね、大人げなくって。

ゲームは、漢字の読みを答えるだけです。
どんどん進みました。
「曽遊」
あれ?なにこれ。聞いたこと無い。
あ、あ、あっ。
ゲームオーバー。
あなたの得点は、21点です。

読めないというより、知らない言葉です。
ショックです。

もう一回やることにしました。
またまたどんどん進みました。
「翳す」

ゲームオーバー。
あなたの得点は、20点です。

せめて、まきさんの点まではいかないと。
だって、きっと、画面には、
「ここさんが最高得点をマークしました。 21点」って出てるはずですもの。
こんな低い得点で、やめるわけにはいきません。

こうなったらがんばるしかありません。
何回もやっていると、同じ問題が繰り返し出て来ます。
前回つまずいた漢字が、もう一度出てきてクリア。
セーフ。
だんだん、出来るようになってきました。
しかし、まだ、まきさんの26点には至りません。

「苦参」

なんのこっちゃ。
ゲームオーバー。

苦戦のあげく、やっとこさ26点。
あともうちょっとー。

学会発表の準備が全然出来ていないというのに、意地になってやりつづけ、
ようやく28点になりました。
「ここさん 28点」
私の名前が燦然と3人の頂点に輝いています。

ぜいぜい、はあはあ。





10/11. 14:31 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
嫁菜
こんばんは
台風のせいでしょうか、
今日の夕焼けの色は、いつもと少し違った美しさでした。

嫁菜、ご存じでしょうか。
薄紫の小菊のような花です。

とても好きな花です。
時々、ところどころ、そっと咲いているのを見かけます。
摘んで帰りたいところですが、残念ながらそれほど群生しているわけではありません。
だから、いつも摘まずにいます。

今日は、夕方遅くに散歩に出ました。
そうしたら、その嫁菜が、今日はいつもの散歩道に何だかたくさん咲いています。
あちらにも、その先にも。
少し進むと、また咲いているのです。

それはとても不思議な気がする光景でした。
今日に限って、こんなにたくさん見つかるなんて。
今まで見落としていたのでしょうか。

実は、こういうこと、時々あります。
その日に限って赤まんまがたくさんに見えるとか。
つゆ草の青色で一面の朝とか。

花だけではありません。
むかごがいくらでも見つかること。
春には、つくし、わらび。

チャンネルが合うというのでしょうか。
その日に限って、その花ばかりが目につくのです。

嫁菜の花は、黄昏時の、薄暗い山道のあちらこちらに、いつになくたくさん咲いていました。

人との出会いも同じかも知れないなあと思います。

すぐそばにいても、何時間一緒にいても、少しも見えていなくて、
そして、突然、その人に出会う。

山で花に出会うように。



10/08. 22:58 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
とってもきれい
おはようございます。
久しぶりの大型台風、皆さまの地域ではいかがでしょうか。
お見舞い申し上げます。

こちらは次第に晴れてきました。
早朝の不穏な曇り空が無かったかのようです。

さっきのミルクティー分で、今週の牛乳がなくなりました。
毎週土曜日の朝、大瓶に1本だけ、玄関先の白い木の箱に届きます。
ここから車で30分くらいの所にある牧場の牛乳です。

洗濯物を干すときに見える畑のあぜに、とうがんが5つころがしてあります。
濃いみどりのと薄いみどりのと。
4,5年前まで、あの畦を、百歳をとうに過ぎたおばあさんが、行ったり来たりしていました。
今でも、向こうから野良着のおばあさんが歩いて来られるような気がします。

娘の、小さくなった靴を何足か、箱に入れて窓のそばに置いてあります。
一番上には、リボンのついたブーツ。
これは箱がなくて、お行儀よく揃ってちょこんと載っています。
誰かに差し上げたいなあと思いながら、言い出せずにもう何ヶ月もたちました。

昨日、下の無人市に、ポンポン咲きのダリアが出ていました。
きれいなピンク色です。

ポンポン咲きのダリア、長い間、祖母が庭に育てていました。
母の所に来るとき、いつも何本か切って、持ってきてくれていました。
家に飾ったら、おばあちゃんがうちに遊びに来てくれるような気がしています。

晴れてきたので、酔芙蓉の葉影が、リビングの床の真ん中あたりまで、くっきりと映っています。
これも木漏れ日って言うのかな。

毎日毎日、言い尽くせないほどの、
きれいなもの。





10/08. 08:46 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
月の夜
こんばんは
今夜は十六夜。

夕食のあとになって、キトリの夕方のお散歩に出かけることが時々あります。
暑いときが長かった、その名残です。

その頃は、いつまでも外が明るかったのに、この頃では、その時間はすっかり夜です。
まっ暗な駐車場。
キトリが走って行ってしまった小径のあたりの闇の中に、白いショウガの花。
ふっと、強い匂いが届いてきます。

今夜は明るい月の晩です。
駐車場全体が照らされています。
その向こうの小径も、奥の方までほんのり見えています。

月のない夜の記憶。
月夜がこんなにも明るいということ。






10/04. 23:06 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
世界一前向き
こんばんは。
コスモス、ススキ、葛。
お散歩道は優しくてちょっと哀しげな秋の道です。

ところで今日、世界一前向きな人に会いました。
どこでかというと、美容院。
担当してくれたお兄さんがその人でした。

この美容室に行くのは2回目。
前回担当してくれたその人の話が、なぜか心に残っていました。

それは、若いのに朝型生活をしてるというお話。
朝起きて見かける人たちのこととか。
なんとなく、爽やかで良いなあと印象に残っていたのでした。

今日行った時、そのことを言ったら、とても嬉しそうでした。
5時頃起きて、朝一番にコーヒーを淹れるのだそうです。

こだわりのコーヒー豆?
普通の豆です。

軍資金を貯めたくて節約してるのだそう。
だからコーヒー豆はコンビニ。
車もやめて自転車。
雨が降ってきちゃって困ったな。

優しい俳優さんのような雰囲気と「節約」が、かなりミスマッチ。

黙ってる間と話してる間が交互にやってきます。

あんまり落ち込まないんです。
私は世界一前向きな男ですから。

おっと。
世界一が、コンビニのコーヒー豆のように、普通に出てきて、
もう少しで聞き逃すところでした。

よくないことがあっても、新しいことを試したりしてるうちに、いつの間にか良くなってる。
今がどんなにいい状態でも、有頂天になってるうちに、いつの間にか周りに人がいなくなってたっていうことはよくあるし。

鏡の中の私は、髪を切ったからといって、いつもとたいして変わりそうもなくて、
時々雑誌をパラパラとめくっています。

時間も、なんでもつながってると思うんですよね。
神様ってよく見てるなって。

出来上がったらしく、手鏡を広げて、後ろの仕上がりを見せてくれました。

世界一前向き、それ、いいですね。
私もそれでいきます。

難しいですよ。世界一は僕ですから。

あれ、コンビニのコーヒー豆じゃなかったのか。

まあ、二番でもいいや。



09/30. 23:32 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
栗を拾う
こんにちは。
傘の必要がないほどの雨です。

キトリの朝のお散歩はパパの日課です。
朝6時前頃に出かけます。

このごろは山で拾った栗を二つ、三つと持って帰ってくれます。

山で木の実を拾って来て、それをいただくなんて、とっても素敵でしょう。
私はいつも大喜び。

今日も夫が、さりげなく、だけど私に分かるように、ポケットから栗を出します。

栗はもう、10個以上になりました。




09/28. 15:12 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
みどりのゆび
こんばんは
今日も暑い一日でした。

植物をなぜか上手に育てる人のこと、みどりの指を持っていると言うのだそうです。
今日は、そんなみどりのゆびを持っている、4人の兄弟のお話です。

一番上の姉さんは、植物のことを歌に詠む人になりました。
姉の歌では、植物が、必ずその名で呼ばれます。
名もない草花にも、みんな名前があるのです。

戸隠で出会った白い穂のある草。
ヒメトラノオかなと思ったら、サラシナショウマだったの。
あの辺り、更科って言うものねえ。
ほら、姥捨ての。

オミナエシのような形で、花形は菊。
わからない名前の草があると、写真を撮って妹に送ります。

妹からの返事。
ハンゴウソウ。
反魂草?
すごい名前。
働き者の妹の家は、草花でいっぱいの花屋敷です。

弟夫婦は、早々とサラリーマンを辞めて農家を嗣ぎました。
とてもおいしいお野菜。
都会からたくさんの人がそのお野菜を買いにやって来ます。
周りの農家を巻き込んで、たくさんのお野菜を売ります。

もう一人の弟。
若い頃の、ちょっとした曲折の後、小学校の先生になりました。
みどりのゆびが必要な仕事です。

それぞれの、みどりのゆび。




09/26. 22:40 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
苦難の物語とその後
こんばんは。
とても暑い一日でした。
暑さ寒さも彼岸まで。
となると、今日が最後の暑い日だな。

人生も、そこそこ長くなってくると、ものごとが、そう1回でうまくいくものではないことは分かっています。
まあ、そういうもんです。

例えば、
口座引き落としの申し込み。
お届け印が違っていました。

というわけで、それらしき3本を持って銀行へ。
よーく似てる3本の印鑑たち。
卒業生を送りだすたびに、担任も記念品の印鑑をもらえるのです。
その微妙な違いが、窓口お姉さんの鑑識魂に火をつけてしまいました。
長時間にわたる微細な点検。
結果、どれも違ってました。

一旦退却。
別の(これも似てる)を持って、再度3時前のごった返す銀行へ。
無事手続終了。
ま、出来たから良しとしましょう。

例えば、
このたび我が家では、ひかり電話がいいというので、パソコンともども「光」に取り替えることに。
16日に工事、18日にニフティーさん。
このさい2台とも無線にするはずが、なぜかうまくいきません。
もともとつながってた1台も有線しかできなくなりました。
来てくれた方も、電話口の方々も、みんなみんなとっても親切で、一生懸命な方ばかり。
月曜日にもう一回来て下さるそう。
私、これ以上がんばれるかなあ。

一昨日、娘を駅前までお迎え。
車の中でじっとしていたら、なんと自転車のお巡りさんがこっちに。

なにしてるんですか。
娘を迎えに来たんです。
うなだれてましたね?
え?

もしかしてこれ、うわさに聞く職務質問?
そりゃ、歩道に車を駐めてたことは、まあ、すみません。
でもね、
うなだれた市民の取り締まり?

どっぷり。

よーし、こうなったらー。
お友達ん家でお昼!

いろんな具入りの楽しいお素麺。
食後においしい和菓子とお茶。
残念だったこの夏の出来事。
飲むヨーグルト。
お友達の、ちょっとつらい話。
フランス語っぽい名前のお店のバターケーキ。
オレンジジュース。
前途ある若者の苦難の物語。
またお茶。
お邪魔しましたーって外に出たら、窓に青色の朝顔。

帰り道は、
けっこう元気。




09/25. 22:53 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
思い出 最速
こんばんは
ここのところ、急に彼岸花が咲き始めました。
彼岸花は、必ず約束を守る花なのですね。
去年のような厳しい残暑の秋も、今年のような早々と冷える秋にも。

なんとなく机に座って、なんとなくパソコンを開けました。
ん?
ポケットに、むかご。
そうそう、さっき、夕方のお散歩でみつけたんだった。
すっかり忘れてました。

手を突っ込んで、出してみたら、
手のひらの上に、1,2,3,4…7つ。

さっきのお散歩の時のこと、急に思い出しました。
刈田の鳥追いとか、水引草の薮とか、枯れた瓢箪棚、風。

もう、全部思い出。





09/23. 19:31 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
世界街歩き
おはようございます。
いつものお散歩道に、もう木の実が落ち始めました。
一番早いのは大きな丸いどんぐりです。

朝、みんなが出かけたあと、食卓に腰かけて、ちょっとひと息つきます。
テレビの画面は、再放送の「世界街歩き」。
カメラの人が歩きながら捉えた映像だけが映って、まるで自分がそこを歩いているみたいに思える、あの番組です。

今日はイギリスのコッツォール地方。
画面の明るい緑の中に、平屋建ての家並みが続いています。

楽しそうな歩き手の声。
映像は、狭い路地を進んで行きます。
古びた煉瓦積みの家壁に、薔薇の蔓が巻きついています。

路地の老夫婦。
歩き手の声が、「いつからここに住んでいるんですか」って訊ねます。
ご主人が答えたのは、私の生まれ年。
この家、私と同じ年月、このご夫婦に育てられてきたんだ。

「花の季節ならよかったのに」って奥さん。
そう、花が咲いた時はさぞきれいだったことでしょう。
でも今も、とても素敵です。

歩き手の声は、出会った人と、ちょっとだけ話しては、進みます。
絵を描く人、赤ちゃんを抱いた女の人。
路地を出たら、また小さな道。

街角で、モーリス・ダンスの練習に遭遇しました。
大人の男の人たちが、鈴をならしながら飛び跳ねる踊りです。

ふふ。
世界中に、いろんな時間。

のんびりしているうちに、そろそろ時間になりました。
私もちょっと出かけてきます。

気分は「世界街歩き」。
今日は、のんびり行こ。

いってきまーす。





09/18. 09:01 [ 日記 ] CM6. . TOP ▲
相性占い
こんばんは
このあたりにも、そろそろ彼岸花が咲き始めました。

夫のことを、嫌いっと思ってイライラしてたら、ちょうどお友達からネットの無料占いを教えてもらいました。
その名も「はにわ占い」。
あやしげです。

さっそくやってみました。

よーし。
夫と私の誕生日と名前を入れて。
ほら、やっぱり。
33パーセント、相性最低です。
やっぱりね。

次に、昔片思いだった人の誕生日と名前を入れます。
誕生日、忘れてなかったんだなあって、変なところに感動。
おお!
100パーセント!
そうだったんだあ。

ついでに、私の性格というのも見てみます。
うん?
あたってるような違ってるような。

夫の性格。

あくなき探究心
常にスマート

全然ちがいます。




09/15. 22:56 [ 日記 ] CM4. . TOP ▲
仲間
こんばんは
久しぶりの雨になりました。
気持ちのどこかが、しんと静まりかえっています。

一昨日、久しぶりに思い立ってプールに行きました。
晴ればかり続いて、水が恋しくなっていたのかも知れません。

着いてみると、入口のホワイトボードに
「プール 9/10まで 清掃のためお休み」
と書かれています。

そっかー、今日までお休みなんだあ。
仕方ありません。
くるりと向きをかえて、車に戻るしかありませんでした。

そっかー、今日までお休みなんだあ。
清掃中かあ。
それじゃあ仕方ないなあ。
せっかく来たのに残念だなあ。

え?
私が考えていることそのままが、声になって聞こえてきました。
見ると私の2メートルほど前を、小学校高学年くらいの男の子が歩いています。

私が言ったのかと思った。
この子がつぶやいてたんだー。

ちょっと嬉しくなって、その子の後ろ姿をよく見ました。
無造作にプールバックを肩に掛けて、運動靴のかかとを踏んで歩いています。
あらあら。
私は、いつも娘に、靴をきちんと履きなさい、とうるさく言っています。
でも実はその時私も、入口で脱ぎかけたサンダルの、かかとの紐を踏んでいたのでした。

おんなじ!

男の子と私は、プールバックを肩に掛け、かかとを踏みながら、一列になって歩いていきました。
よく似た二人の、愉快な行進です。

駐車場に着いてみると、なんと、彼の乗ってきた車は、私の車の隣に止めてありました。
男の子は、先生らしい女の人と一緒でした。
男の子と女の人は、何か話ながら、私の隣の車に乗り込みました。

じゃあね、
また会えるといいね。

私は声に出さないで言いました。
車には、この近くの知的障害児施設の名前が大きく書かれていました。


次の日、私はまた同じ時間くらいに泳ぎに行きました。
プールは開いていました。
泳ぐ前に見渡しましたが、あの男の子の姿は見えませんでした。

私はしばらく泳いで帰りました。






09/12. 22:24 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
どこにも行かないよ
こんばんは
晴れて暑い日が続いています。
お元気でいらっしゃいますか。

私は今日、高校の非常勤の日でした。
地味目のワンピースでしたので、少しさびしいかなと思って、珍しくイヤリングをして出かけました。
とても小さい、金色のイヤリングです。

教室に入るとすぐに、窓際の女の子が言いました。

先生、今日どっか行くん?
どこにも行かないよ。どうして?
だって、イヤリング。

先生かわいい。
ありがとー。

今度は廊下側の野球部の坊主頭の子が言いました。

先生、今日どっか行くん?
どこにも行かないよ。
イヤリングしとるね。

全然話聞いてない。


09/07. 22:27 [ 日記 ] CM4. . TOP ▲
二人の女の子
こんばんは
今夜もお月様がきれいです。

午前中、ポストまで行った時のこと。
ご近所の竹本さんと、秀子さんが、日影に並んで腰掛けておしゃべりしていました。
きっともう、朝の一仕事が終わったんでしょう。

おはようございます。
今日はもう郵便やさん来られました?

さあ、見んけどねえ。
さあ、いつもならまだだけどねえ。

日よけの帽子をおそろいみたいにかぶって、同なじような答え。

母よりは少しお若いかしらん。
お二人ともかわいいお嫁さんだったことでしょう。

秀子さんは10年位前にご主人をなくされました。
竹本さんは、ここ2,3年、お姑さんがちょっと大変です。

二人並んで腰掛けて、楽しそうにおしゃべり。
家に帰って、窓からポストの方を見たら、まだ並んでお話していました。

この里では、女の子が二人、こうして腰掛けておしゃべりしているうちに、いつのまにか、何十年もの月日が流れたのだと思います。








09/06. 23:32 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
ただいま
こんにちは
お昼頃、すごい雨が突然降ってきました。
雷も鳴りました。
今はもう、元の青空と蝉の声。

さっき、ちょっと外出して、今帰ってきたところ。

ただいま。

家には誰もいないけど、声に出してただいまって言います。
お昼寝してたらしいキトリが、玄関で迎えてくれます。
キトちゃん、ただいま。

ちょっとだけ頭を撫でて、リビングへ。
ただいま。

出かけた時のまんま。
台所も食卓の上も。

カバンを椅子の上に置いて、石鹸手洗いとうがい。
それから、パソコンかな。

ただいまー。

ただいまの後に続く、息せき切ったような話とか、今日ね、で始まる私の話を、
タンスとか、
座布団とか、
掛けっぱなしの洋服とか、
金魚鉢の中のめだかとか、が聞いてるのだと思う。

これは、声に出さないけど、さっきからずっと話してる。

夕方になったらきっと、みんなが帰ってきて、私はたぶん、おかえりって言う。






09/04. 15:22 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
夜の動物園
こんばんは
遠くの半月が、光ってとてもきれいです。
昼間の暑さが嘘のようです。

9月になりましたね。
我が家の今年の夏は、キトリの病気で、結局少しも遊べませんでした。
家族揃っての里帰りもできなくて、元気のないキトリがかわいそうで、
長い長い夏でした。
そんなキトリももうすっかり回復。
元気いっぱいです。

そういうわけで、夏の最後に、ギリギリセーフで家族のお出かけ。
行く先はなんと動物園です。
毎年、この時期の週末、近くの動物園では、開園時間が9時までに延長されています。
その名も「ナイトサファリ」、夜の動物園です。

近くなので、お夕食を済ませて、7時を過ぎて出かけました。
着いてみると思いのほかの人出で、大賑わい。

正門入ってすぐのヒヒ山は人だかり。
大きな岩山にヒヒがいて、そのヒヒ山に人がたかっていて、ヘンな夜です。

動物園はやっぱり明かりが少なめ。
薄明かりの中、夜はやっぱり涼しいねって言いながら歩きます。
すぐ近くの人も、はっきりは見えなくて、家族とはぐれてしまいそうです。

シマウマやキリンのいる平原は、やっぱり暗くて、本当に夜の平原。
ずっと向こうの方にシマウマの群れの黒い影。

ふたこぶラクダが2頭、それぞれ別の方を向いて近くに座っていました。
じっとしているけれど、眼を開いていて、眠ってはいないようでした。

たった3人の家族なのに、それぞれ行きたいところが違っています。
娘がひよこのところに行きたいというので、「ぴーちくパーク」という小さい子のためのコーナーに行きました。

生まれたばかりのひよこ。
オウム。
くじゃく。

久しぶりに来た「ぴーちくパーク」には、ペンギンが仲間入りしていました。

しばらく、いろいろな動物を訪ねて進みました。
象舎では、象が鼻をぐっと真上に伸ばして、木の葉を採ろうとしていました。
動物たちは、たくさんのお客さんのことをあまり気にしていない様子に見えました。

そうそう、動物園のあちこちに、顔を入れて写真を撮るための絵(あれ、なんて言うんでしょう)が置いてあって、
その絵がどれも愉快なので、私たちは見つける度に、顔を入れて写真を撮って歩きました。
暗くて少しも写らなくて、写真はまっ黒なんですけど、そんなこと当然お構いなし。

ツキノワグマが、台の上で、棒を持って遊んでいました。
棒を器用にくるくる回しています。
え?
クマが棒を?

その早さにビックリ。
知らなかったけど、クマのクラウド君、有名なんだそうです。

クラウド君は、そのうち棒を落としてしまって、首を伸ばしてじっと下をのぞき込んでいました。

バク。
おおきいのと小さいのがいました。
夢を食べに出かけて留守かなと思ったら、今夜はここにいたんだね。

夫は活動的な夜のライオンを楽しみにしている風でした。
ライオン舎はいよいよ帰りに近いあたりです。
でもね、ライオンは夜もやっぱり寝ていましたよ。

誘導のため、ライトを入れたカラーコーンが並べられて、
まもなく終わるナイトサファリの道を、ぼんやり照らしていました。

近づくと、その一つ一つに、小さな穴で動物の絵が描かれていて、
どれもとてもかっこいい動物の絵でした。
3人で、すごいねって歓声を上げながら見てゆきました。
誰かが、この一つ一つに、時間をかけて動物の絵を描いたんだなと思いました。

動物園の人が、僕たち私たちのために、動物たちを見せてくれている。
今の私が、子どもの頃飼育係の仕事に憧れた、あの時の気持ちでいっぱいだってこと、
薄暗いおかげで誰にも悟られませんでした。

私たちは、コーンの明かりに導かれて、元の正門のところに戻ってきました。

すっかりくたびれたので、ヒヒ山を見ながら、かき氷を食べました。
そのあと3人で狭いボックスに入って絵はがき写真を撮りました。

私は売店で、クラウド君のぬいぐるみを衝動買いしてしまいました。
それと、以前からちょっと気になっていた「ヒヒ山通信」というオリジナルの4コマまんがの本も買っってしまいました。

みんなで節約しようねって言ってるのに。
夫も娘もこういうお母さんに慣れっこです。

いいの。
今日はお祭りの夜なんだから。

動物園の閉園と共に、私たちの夏のお出かけは終わりました。


ワナに目もくれず悪さの猪が「イノシシ」として動物園に   ここ



09/01. 23:10 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
芙蓉初花
こんにちは
今日は雨になりました。
少し落ち着いた感じがします。

おととい、庭の酔芙蓉が初めての花を咲かせました。

上の方に並んで二輪咲いているのを、2階にお布団を干すときに見つけました。
真っ白な花です。
ほんとうの白ってこういうことかななんて思います。

芙蓉の木は、いっぱいに枝を広げて、狭い前庭の半分近くを覆っています。
毎年思い切って短くしたつもりでも、すぐに伸びてくるのです。
ウッドデッキにちょうどいい日陰を作ってくれています。
ただ、一枚一枚の葉が大きいので、下からは花がよく見えないのでした。

その少し前、夫とお散歩をしている時、よそのお宅に、ピンクの芙蓉が咲いているのを見つけました。
私は思わず

あ、芙蓉が咲いてる

って言いました。

うちの芙蓉はいつも少し遅れて咲き始めます。
だからいつも、花を待ち遠しく感じます。
我が家にも、ようやく芙蓉が咲きはじめました。

何にも言わなかったのに、その日夫がふと言いました。

芙蓉が咲いたね。



08/28. 10:57 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
サン・ティー
こんばんは
暦が秋になって、夜はすっかり涼しくなりました。

毎年夏になると、毎日のように冷たい紅茶を作ります。
作り方は母に習いました。

水にパックに入れたお茶の葉を入れて、お日さまの中に出しておくのです。
するとゆっくり水が温まって、紅茶の色が少しずつ出てきます。
それで、気に入った色になったらできあがりです。

熱湯で作った紅茶を冷やすとすぐに白く濁ってしまうけれど、こうして作った紅茶はいつまでも透明です。
こうやって作った紅茶のことを、母はサンティーと呼んでいます。
お日さまのお茶です。

陽射しがすっかり秋めいてきた今日も、私はサンティーを作りました。
真夏の暑い頃より、少し長く時間がかかります。

ガラス瓶の中の紅茶が、秋の陽射しの中で、いっそう透明に見えます。




08/23. 22:49 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
旅じたく
こんにちは。
今日は曇りの日曜日。
季節の変わり目、いかがお過ごしでしょうか。

ところでとつぜんですが、旅行の準備、あなたはいつも何から始められますか。
荷造り、お得意ですか。
教えて欲しいなって思います。
私は最近、旅じたくにやけに手間がかかるようになってしまったものですから。

なんでこんなにグズグズするのか、自分でも不思議なくらいです。
その上どうも荷物が多くなりがちです。
いつまでも荷造りの終わらない私にあきれた家族が、やれやれという感じで言います。

2泊?だったら、パンツ2枚、シャツ2枚。

そうだなって思うんだけどね。

着いてみると、なぜか同じようなカーディガンが何枚も入っていたり、着替えが足りなかったり。
想像力の欠如か、覚悟の欠如か。

少女の頃、少ない荷物で旅をする家族に憧れていました。
大草原の小さな家のインガルス一家とか。
ちょっと貧しいけど、家族が深い愛情の絆で結ばれていて、試練や障害も工夫して乗り切るという、とても幸せな暮らしです。
そうそう、娘は「チャングム」で、彼女が娘と3人で送る逃亡生活の場面が好きなのだそうです。

そういえば、転勤族の子だった私自身も、少ない荷物で旅をする一家だったのだと思います。
幼い頃から、父の転勤が決まると、自分のものは、全部自分で荷造りしなければなりませんでした。
知らない町で暮らすことは、大きな試練でしたけど、楽しい冒険だったような気もします。

その頃の私は、今よりずっと旅じたくが得意でした。
ドラマのように、家族に守られていましたし、
きっと、いつも何かわからないものに立ち向かっていたのでしょう。

定住者となって久しいこの頃のわたくし、安穏とした生活を送っている自覚があります。
旅に出ることがとても億劫です。
たとえこれから行く旅が、行きたい旅行であっても、楽しいことが待っているって分かっていてもです。
だから旅の支度にやけに手間取るのだと思います。

そんな私が最近、旅じたくを始めています。
始めているといっても、まだ何もしてはいません。
正しくは、旅じたくをしよう!と思っています。

なぜかって?
ただ、潮の変わり目の中にいるような、ここにずっといるわけにはいかないんだなっていうそういう感じがしているのです。
だからなんとなく、そのための支度をしようって思っているのです。
感じがするだけなんですけどね。

ヘンでしょ。
そういう経験おありですか。
あったらお話下さいね。
私はこんなことは初めてです。

私には、私だけが感じているらしいこの潮目の変化が、いいことに向かっているのか悪いことなのかわかりません。
そんなことを感じる自分をちょっと気味悪くも思っています。
しかたないなあって思いながら、どうなるか分からないこの先のことに、ほんのちょっとだけ胸をときめかせて。
子どもの頃、父の転勤を聞いた時のようにね。

単に夏の終わりだからかも知れません。

すっかり荷造り下手になってしまった私ですが、
まずは、持っていくものとそうでないものを選んで決めないといけません。



08/21. 08:10 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
管弦祭 2
こんにちは
ピッカピカの暑い日に、夕方が来ました。
空にほんの少しだけある雲が、秋の雲なのが不思議なくらいの暑い日でした。

少し間が空きましたが、管弦祭続き、その夜のお話をいたしましょう。

厳島神社を出て行く管弦船を見送ってから、大急ぎで宿に戻りました。
夕方島を出た管弦船は、対岸の地御前に渡って、また島に戻って来ます。
それまでの間に、お夕食などをすませるのです。

私の御同室はUさんでした。
Uさんと同じお部屋になって、ちょっと嬉しくなりました。
Uさんは、いつも素敵なお洋服を着ていらして、時々はちょっとした工夫の手作り。
お話がいつも楽しくて、明るい方なのです。
その日も洒落た黄色いワンピースのアンサンブルでした。

宿に着いてみると、Uさんはもう先にお部屋に戻っていました。
私は大あわてでお風呂へ。
急いでお風呂から上がってきた私が、あんまり早かったというので、Uさんはびっくり。
見かけによらないのだそうです。
Uさんといるとね、なんだかとってものびのびしてきて、精神的体育会系の部分が出てきちゃうんですよ。
自分でも忘れてました。

対岸の地御前を出た管弦船は、夕闇の中、まず長浜神社に向かいます。
長浜神社では、皆が提灯行列になって、船を迎えるのだそうです。

お夕食をいただいているうち、少し遅くなってしまったので、長浜神社の提灯行列を見に行くのは諦めることに。
それから部屋で少しおしゃべりをしました。
聞いてみるとUさんは、母と同い年なのでした。
私は修学旅行の夜みたいに、ちょっとだけ秘密の話をしました。

私たちは、ゆっくり宿を出て、そのあとに来ることになっている大元神社に向かいました。
大元神社は、明かりが灯されていましたがまだ誰もいませんでした。
船が着く浜では、消防の人が篝火の準備をしていました。

紅白の提灯が配られました。
その時にそこにいたのは、10人足らずでした。

私たちは、それぞれおしゃべりをしながら、何となく待っていました。
人が少しだけ増えました。
海はまっ暗で、何も見えませんでした。
真上辺りに見える月が、光ってとてもきれいでした。

管弦船の船団が来ました。
華やかに飾った阿賀の船、14人の漕ぎ手が操る江波の漕伝馬船。
それぞれの船の、それぞれに飾り付けられた提灯の明かりが、暗い海の上をこちらにやって来たのでした。
近づくと、地御前の船には、高々と「厳島御用」と書いた提灯が掲げられていました。

不覚にも、その時の管弦がいつ始まっていたのか、江波の漕ぎ船の木遣り歌がどんなだったか、少しも覚えてなくて、
ただその船々の灯りと、
自分が手に持った提灯の明かりだけが、今も記憶の中でゆらゆらと揺れています。

他の社殿の前でしたのと同じように、御座船は、大元神社の社の明かりと、岸にいた私たちの少ない提灯の明かりとの前で、ゆっくり大きく3回まわっていました。

暗い夜の中で、千年近くもの間行われてきた祭が、今年も行われていました。
それは、見に来ている人のためでもなく、誰のためでもなく、ただお祭りとして行われていました。
役に立つとか、残さなくてはならないとか、そういう次元でなく、誰かが行わなければならないお祭りでした。

それから船は、厳島神社の本殿の方へと岸を離れて行きました。
私達は、船を追いかけて、急いで本殿に向かいました。
本殿はもう人でいっぱいでした。

クライマックスは船が狭い社殿に入ってくるところと、枡形で伝馬船がまわるところです。
阿賀の水主衆は、そろいの黄色い腹巻きに、派手なはっぴや、茶髪金髪、見ただけで威勢がいい漁師らしいさんたち。
江波の衆は紅白のはっぴ。
行き来する神官の数も相当です。

本殿前での管弦やら、江波の漕伝馬の櫂さばきやら、見ている人々の拍手、鳳簾から取り外された金の鳳を持って歩く阿賀の水主の赤ら顔とか。
これに触ると縁起がいいというので、その辺りにいた人は大騒ぎ、こっちこっちと呼ぶ大声。

海に浮かぶ広い社殿とその海は、それぞれの人の、てんでの思いや声や動きを雑多に乗せたまま、祭はずっと祭として行われているのでした。

鳳簾が元に納められ、もう一度拝礼があって、管弦祭は終わりました。

ほとんどの人が引きあげていく中、端の方には寝転がっている人がいたり、酒盛りをしているところもあったり、浴衣を着た外国人が盛んに写真を撮ったりしていました。

Uさんが、帰るよって声をかけてくれました。
昔こういうふうに帰るよって言われるまで遊んでいたことがあると思いました。

今ではすっかりわがままに慣れた私は、そのあと一人、後片付けを見てから帰りました。

ふりかえると、たくさんの灯籠に照らされて、神社が海に浮かんでいました。


十七夜月中天に還御の笛     U

夏惜しむ還御の潮へ灯を零し   U

阿賀衆を束ね紋付きサングラス  ここ

堤灯の灯のほかは闇祭舟     ここ





08/19. 17:01 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
幸せのたね
おはようございます。
雨上がりの涼しい朝です。

先日、いつものお散歩道の途中で、種の袋を拾いました。
それは、黄緑色の、よくある紙の種袋で、
「四つ葉のクローバー  オキザリス・アイアンクロス」と書いてあります。

四つ葉のクローバーのたね!

竹取の翁「われ朝ごと夕ごとに見る、竹の中におはするにて知りぬ、子になり給ふべき人なめり。」の論理からすると、
これは、朝ごと夕ごとここに散歩にやって来る私のものとなるはずのものに違いありません。

中を開けて見ると、もじゃもじゃの枯れ草の固まりのようなものが一つ入っていました。

これを植えたら、四つ葉のクローバーがいっぱいに。
うふふふふ。
うふふふふ。

もうすっかり幸せです。



08/15. 07:49 [ 日記 ] CM2. . TOP ▲
無人島に持っていくなら
こんにちは
今日は、朝から30度を超す暑さです。
たまらずとうとう冷房を入れて、ガラス窓の向こうに目をやると、
見えるのは、赤とんぼや稲の穂が見える秋景色です。

無人島に一つだけ持っていくならっていう話、よくありますよね。
娘と話していて、この話題に。

ママ、布団でしょ。ふとんって言いそう。

ええっ、そんなあ。

私はね、人持ってくー。
野生でも生きていけそうなエリとか、一緒にいて飽きなさそうなミナとか。
だって一人じゃ何にも出来んもん。

それって無人島じゃないのでは。


あなたは何を持っていきますか。

夏休みもいよいよ後半。


08/14. 11:54 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲
管弦祭 1
おはようございます。
曇っては小雨の涼しい朝になりました。

先週のことですが、宮島の管弦祭に行ってきました。
夜中まで続くお祭りですので、宮島に一泊しての見学です。

このたびは俳句会のお仲間と一緒です。
一行は25人ほど。
遠くから見えた方もいらっしゃいました。
俳句はずっとやめていたので、こういう会に参加するのはとても久しぶりのことでした。

まずは夕方、何人かで、管絃船が厳島神社を出発するのを見にでかけました。
御鳳簾と管弦の神官さんを乗せた御座船が大鳥居を通って海に出て行きました。

私は初め皆と一緒でしたが、干潮の浜を出て行く御座船を追って海に立つ大鳥居の近くまで行ったりしているうち、
いつのまにか横浜から来られたMさんと二人になっていました。
Mさんは初対面の人で、私より一回りくらい年上に見えました。

私たちは少しぎこちなく話しました。
私も、きっとMさんも、初めての人とうまく話すのは苦手なのでした。

Mさんが、『管弦祭』という小説を昔読んだことがあると言われました。
私は読んだことはありませんでしたが、その小説があることは知っていました。
作家の名を言おうと思ったけれど、思い出しませんでした。
そうしたら、Mさんも作家の名前がどうしても思い出せないと言われました。
二人でしばらく考えましたが、思い出せませんでした。

西日の中、飾りをいっぱいつけた漕ぎ船が、御座船に近寄っては遠ざかるのを繰り返していました。
潮が次第に満ちてきて、船を追いかけて鳥居の先まで行っていた私たちの足元に潮が迫ってきていました。

私は靴が濡れてはいけないので、少しずつ後退しました。
見ると、私の前にいたMさんのサンダルを履いた足は潮に浸かっていました。

Mさんの足に、小さな波が寄せているのを見ながら、
学生時代の私なら、靴など濡れるのも構わず、船を見続けていたろうと思いました。
Mさんが私で、今の私はあの頃の他の誰かだと思いました。

浜から上がって、二人で岸に腰かけて、海に出てゆく管弦船を見ました。
大きい鹿と小さい鹿がまだ浜にいました。
管弦船は、今の時代では考えられないほど、ゆっくりと進んでいました。

管弦船から、管弦の音が聞こえています。
西日の中に、平安朝風の旗が何本も翻っているのが見えました。

私は急に何だか思いついて、声を出しました。

竹。
竹の字が入っていたような気がする。

竹西寛子!
Mさんが小さく叫びました。

私たちときたら、手を取り合う喜びようでした。
Mさんの真面目さが、潮が満ちてくるように私の中に沁みてきました。

管弦船は、いつの間にか遠く見えなくなっていました。


杓文字屋の鹿戸をくぐる赤蜻蛉  M子

御座船を待つ神主の扇風機    M子





08/13. 11:39 [ 日記 ] CM0. . TOP ▲