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深い湖の青色 

こんばんは。
お元気でいらっしゃいますか。
お盆の帰省旅行から戻りました。
お盆は、日常を離れて、宙に浮いたような、不思議な時間ですね。

母が、ベストを編んでくれました。
ずっと前に、織物のために準備していたたくさんの絹糸の中から、
青い色糸を数本合わせて。

明るくて、澄んだ水色。
その向こうの青色。
その奥に見えている深い青色。

静かで、規則正しい模様。
ラメ入りの糸がところどころで光ります。

私は嬉しくて、その青い色を長い間見ています。

あまり人が来ない山奥の湖。
複雑な青い色の水は、深みを湛えて、
水面は明るい陽にきらきら。
時々風が吹いて、さざなみが立ちます。

私は、何にもしないで、長い長い間、見ています。

いえ、湖を見ているのは、母。
それとも、母と、子どもの頃の私。
いつのまにか年をとった私。

深い湖の青色を、いつまでも見ています。



六地蔵のお一人白し秋の昼     ここ



[2019/08/17 23:34] 家族 | トラックバック(-) | CM(0)

のぞき眼鏡 

こんにちは。
おげんきでいらっしゃいますか。

暦は秋になりました。
空だけ先に秋らしくなっています。

このごろ急に本の字がぼんやりとして見えにくくなりました。
老眼が進んできたようです。

少々面倒を感じながら、
ケースから眼鏡を取り出し、
どれ、という感じで本を覗き込みます。

すると、おや、
文字が急にはっきりと見えて、
並んだ言葉たちが何か言っております。

そうそう、
本の世界って、
どれ、って覗き込むところなのでした。

子どもの頃にも、そんな風に思っていた気がいたします。
それをふっと思い出しました。


初秋や六角形のお菓子箱        ここ



[2019/08/11 00:37] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

りんどう 

こんにちは。
梅雨が明けましたね。

お仕事の帰りに、花を買いました。
りんどうです。

手の中のその色が、あんまり青くて、
あんまり青くて、

ああ、夜の軽便鉄道からジョバンニとカンパネルラの二人が見たりんどうは、こんな色だったかしら。

カンパネルラ 「誰だって、ほんとうにいいことをしたら、いちばん幸なんだねえ。」

ジョバンニ 「ほんとうにみんなの幸のためならば僕のからだなんか百ぺん灼やいてもかまわない。」

まだすっかり暮れきらない、福岡の遅い夜
浮かび上がるビルの輪郭
行き過ぎる人々

ほんとうの幸...

点滅する信号を遠くに見ながら、
家路を歩んでいます。



*********

「ああ、りんどうの花が咲いている。もうすっかり秋だねえ。」カムパネルラが、窓の外を指さして云いました。
 線路のへりになったみじかい芝草の中に、月長石ででも刻まれたような、すばらしい紫のりんどうの花が咲いていました。
「ぼく、飛び下りて、あいつをとって、また飛び乗ってみせようか。」ジョバンニは胸を躍らせて云いました。
「もうだめだ。あんなにうしろへ行ってしまったから。」
 カムパネルラが、そう云ってしまうかしまわないうち、次のりんどうの花が、いっぱいに光って過ぎて行きました。
 と思ったら、もう次から次から、たくさんのきいろな底をもったりんどうの花のコップが、湧くように、雨のように、眼の前を通り、三角標の列は、けむるように燃えるように、いよいよ光って立ったのです。



[2019/07/31 18:07] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

それぞれ 

こんばんは。
今日は降ったりやんだりの日でした。
そちらはいかがでしたか?

電車が動き出して、
ホームで、
手を振ってくれている母。

小首をちょっとかしげて、
小さな女の子のよう。

この頃、少しだけ髪をのばしているせいかな。

実は、
母は、髪洗いがあまり好きではありません。

そして私も。
それから娘も。

髪型はそれぞれ違うけれど、
ふふふ、
おんなじ。

それぞれ、素敵なシャンプーを買ったりね、
しています。


半夏生手かごに糸の濃紫    ここ



[2019/07/13 22:29] 家族 | トラックバック(-) | CM(0)

今日の仕事 

お百姓さんが畑を耕すように、
私は私の今日の仕事をしましょう。

今日の私の仕事。

午前中は、授業。
国語の先生になりたい人のための授業です。

国語の先生の仕事は、
人が、生きてきた中のいろいろを伝えようとする言葉を、
生きている人として受け止めて、
その姿を子どもたちに見せること。
子どもたちも同なじように、それぞれに生きてゆくのだということを忘れないこと。

お昼休み、
教育実習が辛かった学生さんのお話を聴く予定。

午後は、
いろんな振り込みを事務室に依頼する書類を作る(苦手)。

大学に向かう同じ電車に、見覚えのある学生さんたちがちらほら。
学び舎に向かう私たち。

私は、畑に向かうお百姓さんのように、
お弁当と本の入った、重いカバンを抱えて、
学校に向かっています。



ふねきんぎょふうせんかえる星祭       ここ




[2019/07/07 15:30] 教育 | トラックバック(-) | CM(0)

緑の家 

小さな緑の家に住んでいます。
お庭に、花の咲く木をたくさん植えました。

一日中、鳥の声が聞こえています。

洗濯物を干す時も
(きじばと)

お茶の時間も
(いかる)

お昼寝の間も
(ほととぎす 遠くで)

私がいない間も

一日中、
鳥の声が聞こえています。

私がいない間も






[2019/06/20 10:20] | トラックバック(-) | CM(0)

週末 

こんにちは。
日中は暑くて、昨日の夜とは違う場所のよう。



週末

迎えに来ているはずの夫の姿を探しながら、
改札口へ。

70年前、無残な焼け野原だったこの街に、
私は、何度も、何度も、帰ってきます。

ちょうど、
変身から戻ったヒーローが、
ひと仕事終わった明るさで、
子どもたちと話しながら歩いている時間です。

夫が、人に交じって、ぽつんと立っているのが見えます。

ここでは、時計が全部、爆風の熱でゆがんでしまったせいで、
時間の流れが少しだけゆがんでいます。

改札を出ると、
この街特有の、哀しみの風が流れていました。

私は深く息を吸いこみます。



水無月の底トランクの縞模様   ここ



[2019/06/19 16:18] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

点景・厚狭駅 

こんにちは。
夕方になって、晴れてきました。

昨日は両親の家に参りました。

厚狭駅で乗り換え待ち。
新山口駅行き、上り列車を待っているのは、
私の他にもう一人だけ。
向かいの下関行きのホームには、七,八人。

線路に明るい陽があたっています。
線路の間に鉄道草が生えてきています。
ひばりが鳴いています。




[2019/06/09 16:28] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

オキーフの家 

こんにちは。
雨上がりの週末。
いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

美容室には書棚があって、
私の髪をカットしてくれている背の高い青年に、おすすめの本を尋ねると、
「オキーフの家」という写真集を見せてくれました。

かっこいいんですよね。

画家のジョージア・オキーフが、晩年を暮らした家。
モノクロの写真集です。

ニューメキシコ州の砂漠地帯。
土を四角く固めて作ったような家。

家具の少ないその家の、入り口付近の細長い棚に、
砂漠で拾ったという動物の頭蓋骨が並んでいます。
(彼らは、彼女の乾いた絵の中で、今も砂に埋もれています。)
白く乾いた骨たち。

飾りはほかに、濃い色の変わったモビールくらい。
全体にグレーがかった中で、 黒いかけらたちが目立っていました。

かっこいいですよね。
でも、だからって、頭蓋骨を買ってきて部屋に置くのは違うと思うんです。
ホームセンターで流木とか売ってるじゃないですか、そういうの。

お店を出ると、
夏至も近い福岡の街の、遅い夕闇。

私もこの街で、
私の、「骨」を探そう。

猫が道路を横切っていきました。







[2019/06/08 15:20] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

幸せの窓辺 

おはようございます。
いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
佳い季節ですね。

火曜日の朝は、新幹線で福岡へ移動です。
車窓は一面、緑、緑。

実家の付近を通り過ぎる頃、
両親に充てて絵葉書を書きました。
明るい色の花々に囲まれた窓辺を描いた刺繍の写真の絵葉書です。
隅に「幸せの窓辺 Ⅰ」というタイトルが記されています。


「 初夏。
いいお天気になりました。
いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

先日、福屋デパートで、戸塚刺繍展がありましたので、ちょっと覗いて参りました。
刺繍はいいなあ。
幸せな時間が形になって現れてる感じがいたします。
幸せをおすそ分けいたしますね。写真ですけど。
パパの絵も、幸せの絵だなあっていつも思っています。

今週末は、お仕事で大阪です。
せっかくなので、3人で集まることにしました。

ではまたね。 5/21 ここ 」



[2019/05/21 09:52] 家族 | トラックバック(-) | CM(0)

気を取られる 

こんにちは。

1278番の方。
お名前を仰って下さい。
どっちの腕にしますか?
アルコール消毒、大丈夫ですか?

大きなコアラの顔がこちらを向いています。
「おい、お前、どっから来た?」

コアラのくせに、なんてオヤジっぽい顔!
目の奥がニヤついて、ちょっとからかってやろうかって、
そんなことはお見通しですから、返事なんかしません。

ハイ、終わりました。
3分くらい、押さえててくださいね。




[2019/05/18 12:32] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

小鳥の歌 

おはようございます。

先週、詩人の若松英輔さんのお話を聞きにまいりました。
しんとした、静かな気持ちになりました。
言葉の向こうの、深い悲しみに打たれたのだと思います。
感謝と尊敬を込めて、私も、詩のようなもの書いてみました。



小鳥の歌

やさしいあなた。

あなたが私のことを、こんなにも大切に思って下さっていることに、
私は、本当に長い間、気がついていませんでした。

今はわかります。
あいかわらず無口で、あんまり表情も変えないけれど。

ある日、気づいたのです。
ずいぶん時間がかかってしまいました。

私は年をとって、白髪が目立つようになりました。
あなたもお父さんの歳を越えましたね。

愛されていないことを悲しんでいた若い日の私に、
少し苦笑いしながら、
私は、静かに私の声に耳を傾けます。
あなたが、ずっとそうしてくれていたように。

私の声。
あなたを呼ぶ、小鳥の喜びの歌のような。



[2019/05/18 12:22] | トラックバック(-) | CM(0)

遠くまで行ける 

こんばんは。

昨日、箱崎駅にて。

ホームに上がったところで、
二日市行きの電車の扉が、目の前で閉まりました。

これといって急いでいたわけではありません。
しばらく待って、
次に来た南福岡行きの電車に乗りました。

さっきの電車の方が、遠くまで行ける電車でした。
残念。

博多駅で降りるのだから、どちらでも変わりありませんけれど。



癒やされぬ悲しみのうた聖五月         ここ







[2019/05/12 00:32] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

音あそび 

こんにちは。

子どもの頃、ピアノを習っていました。
あんまり上手になりませんでしたけれど。

練習嫌いの私にとって、ピアノが面白かったところというと、
自分が鳴らしている音で、
何か感情の波のようなものが出てくる不思議な感覚でした。

少女の私が、黒いアップライトのピアノに向かっています。
曲がもともと持っている気分の波に乗って、
私の気分にも、エンジンがかかります。
ういいぃん。

気分にまかせて音色を響かせます。
ういいぃん。

うまく弾けると良いのですけど、たいていは、あちこち弾けないので、つまりません。

そうだ、ミの音だけでもいいのかも。
ミの音に、気分を乗せて、
ういいいん。

いい感じです。
やった、練習しなくてもいいじゃん。
ういいいいん。

声だったらどうかしらん。

う、み、海!
こ、と、り、小鳥!
遊、ぼ、う・・・。
お、か、え、り。

これはいい感じです。
楽しい。

あ、これも音だけでいいのかも。
やってみます。

マ、
ういいん。

ママ
ういいぃん

あれ、なんだか涙が。




[2019/05/08 16:57] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

煙突の下で 

おはようございます。

今日は、父からもらったスミレのハンカチを持って出かけます。
バレンタインのお返しの品です。
とても素敵。

新幹線の車窓に広がる曇り空。
下松発電所が見えます。
大きな、白い煙突がある建物です。

私は、あの高い煙突の下辺りにある社宅で、
3歳までを過ごしました。
それって、生まれてから、歩いてどこへでも行けるようになるまでの時間ですね。

明るい地面の記憶。
ふと、私って、その頃から、外を歩くのが好きだったのではないかなって気がつきました。

全然覚えていませんけれど、
うまく歩けなくてもへっちゃらで、どんどん行く。
きっと、父か母がいつも傍にいてくれたのでしょうね。

今と同じ。




[2019/04/23 07:14] 家族 | トラックバック(-) | CM(0)

詩の手帳(採集用) 

こんにちは。
新学期になりました。

詩を書き留めるための、小さな手帳を買いました。

クリーム色の表紙。
紺色のゴムつきです。

さあ、これからいっぱい捕まえるぞー。

平凡な私の、平凡な毎日の中の、
たくさんの詩のかけらたち。

新しいノートの匂い。
新学期です。




[2019/04/11 11:30] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

とびばこよりも 

こんにちは。
短い春休みを過ごしています。

ところで、跳び箱はできますか?
何段飛べますか?
では、馬とびはいかがですか?

謝恩会では、学生さんにむけて、最後のお話をいたします。
はなむけにと、自分で拙い歌や句を作ってゆくこともあるのですが、
今年はできませんでしたので、気に入った詩を読むことにいたしました。

山本純子さんの作品「とびばこよりも」です。
学校が大好きな私が、一目で気に入った詩です。

これで学校を終える卒業生のみなさんのはなむけに、
心を込めて朗読しました。

卒業生の皆さん、
高い高い跳び箱を跳べるようになることよりも、
たくさんの人の背中を借りて、どうぞ、うんと遠くまで進んで行かれますように。


***********


とびばこよりも    山本純子


 とびばこ
 よりも
 馬とびがすき
 
 だれか
 馬とびしませんか

 さきに
 馬になってくれたら
 わたしが
 つぎに馬になります 

 じゃあ もうすこし
 ひくくなってね
 と いろんなひとに
 こえかけて

 とびつとばれつ
 とびつとばれつ
 とんでいったら
 もう
 そつぎょうのひに
 なりました

 がっこうじゅうを
 ひとあるき
 みんな 
 せなかをかしてくれて
 ありがとう
 と つぶやけば

 がっこうは
 いちめん
 あおくさのにおいに
 みちていて

 てのひらは
 せなかのきおくで
 いっぱいだ


 山本純子詩集『きつねうどんをたべるとき』(ふらんす堂 2018.10)





[2019/03/19 10:42] 教育 | トラックバック(-) | CM(2)

卒業論文集 あとがき 

こんにちは。
春の、落ち着かない天気が続いています。

先週の金曜日、大学の卒業式が行われました。
親しくしてきた学生さんたちが、皆さん、それは美しい袴姿で、卒業してゆかれました。

私は、少しも別れの実感が持てないまま、送り出しました。
元気で、ご自身の人生を頑張って生きていってほしいと、
切に願います。
皆さん、ありがとうございました。

今年も、卒業論文集を作りました。
皆さんとのいろいろなことを忘れませんように、
あとがきをここに。


***********

卒業論文、大変おつかれさまでした。
今年は、全員の論文が揃うのか、少々心配いたしました。
やっと安堵しています。

 卒業論文のテーマは、かなり個性的で愉快なものになりましたね。
どれも書き手の方のこれまでを深く反映しているのが特徴です。

Aさん、Iさん、Kさん、Nさん学生寮の仲間たちは、皆さん鷹揚として力もあり、とても個性的です。
本音でお付き合いのできる寮経験のたまものでしょうか。
それぞれにご自身のテーマを深めました。

TさんとKさんには、運動部で培われた強さや知恵を目の当たりにして、何度も感心させられました。
ゼミ一番の文学者はHさん。
Uさんの「資料検索BOOk」には、学科中が驚きました。
私も含め何かと頼りにしておりました。
ありがとうございました。

夏の合宿は、中津市からの合宿援助を頂いて、愉快な旅になりました。
(Kさんありがとうございました。)
宇佐神宮での一生懸命なお願いも、きっと御利益があったでしょう。

そういえば神様は、合宿に(集合写真にも)参加できなかったMkさんにもちゃんと味方してくださって、卒論のテーマと研究の神様が降って来たかのようでした。
Mdさんの最後の会のご参加でようやく勢揃い。みんなで大喜びでした。

今年のここゼミは、こうしてずっと語っていたいようなそんな温かいゼミでした。
いつも何だかよく笑う、そんな仲間たちでした。
よい時間を、本当にありがとうございました。

自分の目で見て、自分の足で歩もうとする人は、静かに光を発しています。
人と笑い合える柔らかさと温かさは、力なのだと思います。

私は、卒業論文のささやかな取り組みと、仲間たちとの時間が、きっと皆さんのこれからを照らし続けてくれると信じて、
こうしていつまでも大学の仕事をしています。
そして私は、今までのものが何も参考にならないような、大きく変化する社会に船出してゆく皆さんを、
後ろからいつまでも見送っています。

でも少しも心配していません。
皆さんがご自身の光の中にあるからです。

ご卒業 おめでとうございます。
心から、お祝いを申し上げます。

2019年3月15日   ここ



[2019/03/18 15:33] 教育 | トラックバック(-) | CM(0)

雛飾り 

こんにちは。
三月三日の今日は、雨になりました。

今年は、お雛さまを、リビング横の和室に飾りました。
娘が赤ちゃんの頃以来のことです。
お雛さまは、今も真新しいかのようです。

お雛さまの前に敷かれた小さいお布団に寝ている、赤ちゃんの娘が目に浮かびます。
20年以上前のこととは思えない、鮮明さで。

当時は想像もできなかった、50歳をとうに過ぎた私がここにいて、
そちらはぼんやりした映像のよう。

あの頃と同じ様に、紅梅や、山茱萸の花が、窓から見えています。



待ちながら過ぎてしまへり雛祭   ここ


[2019/03/03 11:54] 家族 | トラックバック(-) | CM(0)

莫祢氏(あくねし) 

こんばんは。
夜も更けて参りました。

今日はすっかり遅くなって、お食事に出かけました。
初めてのお店です。

カウンターに腰掛けました。
静かなだなあと思ったら、
そう、音楽がかかっていません。

かなりしばらくして、付き出し。
いいだこ。
どうやらいいところに来たみたい。

あじ刺し。
昼間引いたおみくじを出して読みます。
中吉。

焼きさわらとあおさ。
このたびは幣もとりあえず手向け山…
この歌、なんだか間が抜けた感じが。
運気ひと休みの感あり。

春菊の出汁びたし。
待人 来れども遅し。
病気 気長に療養すれば吉。


*本日、飛梅五分咲きでした。



[2019/01/30 23:48] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

母のイヤリング 

こんにちは。
母から、もう使わなくなったからと、イヤリングをたくさん譲り受けました。

早速つけてみましたら、私が急に大人っぽくなりました。

全部ホンモノだから

母が言ってたことを思い出します。

イヤリングは、どうしても落としてしまうので、
この頃つけているのは、全部私の手作りです。

手作りといっても、気に入った飾りやビーズを組み合わせて、貼ったり繋いだりするだけ。
簡単です。
何よりお値段がかかりません。

フランス製のちょっと無骨でシックな飾りや金具が好きです。
楽しくて、いくつもいくつも作って。
私の、おもちゃのような、楽しくてかわいい毎日を飾ってくれています。

今は、一週間のお仕事を終えて、広島に帰る新幹線の中です。
窓に、母のイヤリングをつけた私。
真面目にならないと乗り切れない毎日が映っていました。






[2019/01/25 18:12] 日記 | トラックバック(-) | CM(4)

現代詩手帖爆弾 

こんにちは。
夕方になって、急に冷えてきました。

この頃、詩のことが気になっています。

去年のことですが、詩集をいただきました。
詩集を、著者の詩人の方からいただくのは初めてでした。

井野口慧子さん『千の花びら』。
作品には、よく知った地名や、日常の出来事、時には広島弁も混じっていて、
それなのに、硬質で透明な全体。
なぜか伝わってくる言いようのない哀しみ。
胸がいっぱいになりました。

それで、少し前から、Facebookの、松下育男さんのページを見つけて読んでいます。

松下さんは、詩について、いろいろ話しておられます。
時々、お薦めの詩の本を教えて下さることもあります。

タイトルをメモします。
手に取ってみたいなあと思います。
でも、注文するということもなく、
そのまま時間がすぎてゆきます。

先日、福岡のジュンク堂書店に行った時、
現代詩の棚の前に立ちました。

小池昌代さんの『赤牛と質量』!
手に取って、ぱらぱらと開いてみました。

私はしばらくそこに居て、見慣れた他の棚に移りました。
山本純子さんの『きつねうどんをたべるとき』はありませんでした。

別の日、
広島の丸善に行きました。
私は福岡と広島を毎週行き来しながら暮らしています。
自分がどこにいるのか、わからなくなるような暮らしです。

「現代詩手帖 1月号」を買いました。
白っぽい表紙の厚い雑誌でした。
ちょっと檸檬爆弾のような。

[2019/01/24 18:23] 日記 | トラックバック(-) | CM(1)

宛て先のない手紙 

こんにちは。
お元気ですか。

ご無沙汰申し上げております。
私は元気にしております
ここに訪れてくださる方々のことを、とても慕わしく存じつつ、暮らしております。


手紙が書きたくなることがあります。
誰宛てということもなく。

午後、
ねこやなぎの絵はがきを買いました。
もうすぐ春ですね、と書いて送るところを想像いたしました。

どなた宛てか、まだ分かりません。



[2019/01/17 12:01] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

鳥渡る 

こんにちは。
良いお天気ですね。

ペンケースのお洗濯をしました。
きれいな青緑色の布製です。
アヒルさんが一列に並んで、まわりを一回りしています。

アヒルさんたちは、みんないつもまっすぐ前を向いて、
真面目そうでもあり、ちょっと笑っているようでもあります。

今日は、お日さまに向かって干しましたので、
もしかすると、飛ぼうかな、とか考えているかもしれません。




川多き阿波の国原鳥渡る

穴を掘るばかりの遊び小鳥来る   ここ




[2018/10/29 13:44] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)

十三夜 

こんばんは。
今夜は十三夜です。

夫と二人、デッキに出ました。
高いところに、白くて、明るくて、静かな月。

これといって話すでもなく、
10分間くらい外にいたでしょうか。

どちらからともなく、静かに家に入りました。

よい月の晩です。




[2018/10/21 23:06] 家族 | トラックバック(-) | CM(2)

ティータイム 

こんにちは。
今週は、一人の週末です。
これといった予定もなく、のんびりしています。

久しぶりに小説読んでいたら、こんなシーンがあって、私もスコーンがいただきたくなりました。
となると、行動は素早いです。
早速作り始めました。

バターをサイコロに切って、
お粉はアーモンドプードル。
糖質制限で、小麦粉はもう使えないのです。
同量のプロテインを入れます。
プロテインを摂るのが課題ですので、この際です。
風味づけに、ココナツファインも少々。
分量はすべて大体です。

実験的に、ベーキングパウダーを入れた方と入れない方を作りました。
ボールの中でそのまま練って、ガラスコップで丸く型を抜いて、天板に並べます。
出来あがり。

天板の、右と左。
膨らみ方、おんなじ。
なあんだ。

いよいよティータイム。
紅茶に、すりおろしたショウガを入れて、今日はレモンも入れました。

クロテッドクリーム、
ああ、福岡のお部屋の冷蔵庫にはありますけれど、
こちらの冷蔵庫にはありません。
生クリームをたっぷりのせて、
いただきま~す。

あれ?
パサパサ。
粉っぽくて、あんまり美味しくありません。

まあまあ楽しい、一人のティータイムです。


「ぼくがくしゃみをして、鼻をかんでいると、桃さんが、あったかいおやつ食べる? ときいた。応えるよりさきに、たまにしかつくらないんだけどね、アオさんにスコーンでも焼きましょう。桃さんが熱いお茶を一気に飲み干して、台所にむかう。
 桃さんは骨張った手でスパチュラを持ち、粉をさくさく混ぜている。なにを配合しているのかわからない。練らないのが大事。そうなんですね。桃さんは、手際よく混ぜて、きじがまとまってきたら、シートの上に生地を置いて伸ばして、縫い糸で生地を適当に切って、オーブンにいれていた。
 焼けるまでにクロテッドクリームをつくろうか。スーパーの袋から、クロテッドクリームと生クリームとサワークリームを取り出す。市販されている日本のクロテッドクリームは乳発酵の香りがしないから、乳のにおいがするように、三つのクリームをスプーンですくって混ぜ始める。ガラスボウルにたっぷりのクロテッドクリームを盛った。ときどきむしょうに食べたくならない?そう言って、オーブンからとりだしたスコーンを桃さんが布でくるんで、食卓に運んだ。」 
( 朝吹真理子『TAIMELESS』 )


[2018/07/22 16:43] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

祈る:豪雨災害に寄せて 

こんにちは。
晴れて、とても暑い日になりました。
今日も、広島のテレビ画面には、外枠が設けられて、絶えず豪雨災害関連の情報が流れています。

そんな中、中道郁代さんのリサイタルに行きました。
災害に遭われた方々への、心からのいたわりの言葉が述べられ、演奏会は始まりました。

ショパンづくしのプログラムです。
演奏する前には、曲毎に、
その曲の書かれた時代と、その時のショパンについての説明がありました。

ショパンが生きていた頃には、ポーランドという国は無かったこと。
祖国のリズム、祖国の踊り、祖国の誇りを曲に書き込んでいること。
若くして国を出て以来、二度とその土を踏むことは無かったこと。

中道さんのお話も演奏も、人の哀しみへの深い共感に満ちていました。

圧巻の演奏会でした。
プログラムは全て終わり、アンコールになりました。

「この曲は、明るい調子の長調なのですが、なぜか哀しみに満ちた曲です。」

説明はたったそれだけ、
曲名も告げられないまま始まった曲は、
「別れの曲」でした。

それは不思議な感覚でした。
音楽が流れている演奏会の会場一面、たくさんの方の魂が、静かに、ここを分かれて、離れてゆくのです。
目には見えませんけれど、
たくさんの方々の、お別れの挨拶を感じたように思いました。

私は涙ぐんでいました。
被災もなく、家族も皆無事であった私。
何もできなくて、何もしないでいた私。
悲しむことさえできなかった私。
ああ、私は、こんなにも悲しんでいたのか。

会場を包み込む、優しく、少し明るいメロディー、
それはただ、「祈り」でした。

短い曲は、まもなく終わりました。

別れの余韻が、しばらく会場に漂っていました。

ただ「祈る」こと。

私には、こんな風にピアノを弾くことは、もちろんできませんけれど、
私の「祈り」を、ただ、祈りたいと思いました。

会場の国際会議場ホールを出ると、
午後の平和公園に、あの日の朝のような容赦のない、強い日差しが降り注いでいました。




[2018/07/17 12:59] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

今を活ける 

こんばんは。
夜になって、ようやく暑さが和らいできました。

豪雨災害から1週間が経ちました。
今も、安否確認の連絡が続いています。

両親の家に参りました。
おかげさまで、両親の家も無事でした。

玄関の床に、白い桔梗、秋海棠などが、竹籠に素敵に活けてあります。
きっとお庭に咲いた花です。

あれ?
これ、みんな秋のお花です。
母ったら、今は夏だから、夏の花を活けたほうがよいのではないかしらん。

いえいえ、
この花たちの季節は、今。

私の思う「夏」に、お花の方をあてはめなくたっていいのです。
秋のお花を活けたら、「秋」というわけでもでもありませんしね。

ただ今を活ける。
それで良いのだと、思い直したことでした。




[2018/07/14 21:31] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

梅雨晴れ間 

おはようございます。
実家からお仕事に向かう電車の中です。
梅雨晴れ間、空は真っ青、濃い青色です。

休耕田の向こうに、木槿の白い花が見えています。
すっかり傾いた農業小屋。
カンナの一群も見えます。

青田の中の小道に、ぽつんと小さな古い石の鳥居があります。
小さな鎮守の森と社。

遠くに海が見えてきました。

ここらは、6年生の時、遠出して冒険したあたり。
一面蓮畑だったところに大きな道が通り、広い青田だったところに家が建っても、すぐにそれと分かります。

見慣れた島影。
島の名前は「満珠」と「干珠」です。
とがった方が干珠です。

思い出の場所は、今の姿がどんなに変わっても、きっとここがその場所だと分かるのだと思います。

満ちる珠、干る珠のお話の頃の、
古い古い神話の時代の人が、今もしここに来たとしても、
ああ、ここは私のふるさとだと、きっと。



十四番山笠愛と勇気のアンパンマン     ここ





[2018/07/12 09:23] 日記 | トラックバック(-) | CM(0)

スコールの街角にて 

おはようございます。
福岡は昨夜からすごい雨です。
こんな日はお休みになると思って、グズグズしていましたけれど、
どうやら電車も動いているので、しかたなく家を出ました。

視界は雨で真っ白。
傘に当たる雨の音しか聞こえません。
どどどどど。

足元の、小石で舗装した街のおしゃれな歩道に、小川みたいに水が流れています。
ええ?、水を通す機能があったはずでは。

歩けるところがないから、車道との境の縁石の上を、平均台みたいに歩きます。
結構いけます。
そんなことしてるのは、私だけ。なぜ?
年齢十分な私ではございますが、おほほほほ。
おっとっと。

縁石が途切れて、
ああ、こりゃ水の歩道を行くしかありません。
水は透明できれいだし、
ええい、と歩道に降りました。

あらまあ、これは、小川の浅瀬を行く気分です。
夏川をこすうれしさよ手に草履(蕪村)
なんちゃって。

前を行くきれいな女性の足、サンダル履き。
こんな時はサンダルのものですねえ。
私の持ってたサンダル、じゃまな後ろの紐を、ハサミで切り落としちゃったから、今ではヘンなつっかけだしなあ。

地理の教科書に載ってたスコールの写真。
緑の中、みんな雨宿りしていた
インドネシアの人、いいなあ。
こんなすごい雨の中、仕事に出かけてる私たちって、どこかおかしいんじゃないかしらん。

紺の合皮の靴の中に、水がたまって、ぐじゅぐじゅ。
子どもの頃、こんなになることあったなあ。

雨全然やみません。



[2018/07/06 09:09] 日記 | トラックバック(-) | CM(2)